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陸域の保全

山が多くで急峻な地形を持つ日本の国土は、そのほとんどが温帯気候にありますが、南北に長いため北部の北海道は亜寒帯、南部の南西諸島や小笠原諸島等は亜熱帯気候の特徴を持っています。暮らしていると当たり前のように思ってしまいますが、日本の国土は地球規模で見れば狭いにも関わらず、世界でも珍しい独自で多様な生態系を持っています。

日本の国土の約70%は森林ですが、森林は光合成により二酸化炭素と水から酸素を供給する機能を持ちます。東北の白神山地では、貴重なブナの原生林が豊かな生物多様性を支えています。亜熱帯地域である奄美大島や沖縄諸島では、マングローブ林が見られます。一方で、亜寒帯地域の北海道では、針葉樹林が優占します。日本自然保護協会(NACS-J)では、東北の白神山地のブナ林の保護と世界自然遺産登録、屋久島や小笠原諸島の生態系の保全管理をはじめ、貴重な照葉樹林を有する宮城県綾町のユネスコエコパーク登録、群馬県みなかみ町の国有林・赤谷の森の生物多様性復元など、各地の多様な森林においてその生態系の保全のための取組を実施してきました。

上述の通り、湿潤な気候、急峻な地形の日本では、国土の大半を森林が占めますが、樹木の生育しにくい高山帯や高原、里山にみられる人が刈り入れた二次的な環境等では、草原環境が存在します。開けた明るい環境は、特異的な植物や生きものを育みます。深山と人里の緩衝地帯である里山は、人が田畑を耕したり、森林を刈り入れたりすることによって、森林や草原、農耕地が入り組むモザイク状の景観が形成されます。人が手を入れて維持される里山は日本特有の自然環境であり、特異的で豊かな生態系を生み出しています。NACS-Jでは、長期に渡り全国の里山の状況を把握する市民調査「モニタリングサイト1000里地調査(環境省委託事業)」や、里山の生物多様性保全のための法制度への提言などを行っています。

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