千歳川問題専門委員会「千歳川放水路計画の問題点 第1次報告書」についてのコメント 1994年4月14日 財団法人 日本自然保護協会 専務理事 奥富 清 財団法人 日本自然保護協会は、これまで千歳川放水路問題については、重大な関心を寄せつつ、河川問題調査特別委員会での検討ならびに千歳川問題専門委員会での検討結果を期待してきたが、本日、現段楷での千歳川問題専門委員会の見解が、第1次報告書としてまとまった。 報告書には、千歳川放水路計画のさまざまな問題点と矛盾点が指摘されている。特に、放水路が周辺に及ぽすさまざまな悪影響についての分析と対策に関して、科学的な根拠に基づく説明がほとんど行われていない。また、治水計画についても基本高水流量や代替案の検討などの点で多々疑問がある。 以上の問題点は、これまでの千歳川放水路計画策定過程で、科学的な検討を十分に行おうとしなかった事業主体側の姿勢に起因していると考えられる。 以上のことから、当協会は、千歳川放水路計画の計画自体について、策定手順を含む根本的な見直しを求めたいと考える。 今後、当協会は、北海道開発局、建設省等の関係機関に対し、以下の点の実現に向けて働きかけを行う。 (1)千歳川放水路計画と石狩川にかかわる自然環境、治水等に関するすべての基礎資料の公表と未調査項目に関する調査の実施。 (2)千歳川放水路計画の、根本的な見直し方に関する具体的な内容と手順の提案。 以上