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生物種

現在、地球上には800種とも3000万種とも呼ばれる生物が生息しています。多種多様な生きものが存在していることを生物多様性といいます。日本は、寒冷な北海道から亜熱帯に近い沖縄、3000とも呼ばれる小島を抱えています。日本のこういった気候や地形地質の多様性と生物どうしの競合、共生、寄生、食う食われる関係による相互作用は豊かな生物多様性を育んできました。また、農業や林業、牧畜など人の手が加わることによってできる環境を活用して生息を広げた生きものもいます。その固有性も高く、日本にしか生息していない多くの固有種を抱えており、「生物多様性のホットスポット」とされています。すなわち、日本固有種の絶滅は世界の生物多様性を失うことにも直結します。

しかし、日本に普通にいた生きものが今急速に数を減らし、絶滅へと追いやられる状況が加速しています。開発を通じた生息環境の改変、狩猟や密猟などの過剰捕獲に加え、農林業の変化や放棄地の拡大、外来種の増加などが原因です。外来種とは、特定地域の生態系に、人間活動に伴って新たなに特定地域外からもたらされる生物種のことです。現在、国内各地で、ペットとして持ち込まれたり、人や物資の移動にともなって入り込んだ外来生物が野生化、生物多様性喪失の深刻な原因となっています。

NACS-Jでは、イヌワシ、四国のツキノワグマ、オオルリシジミ、ニホンウナギなど緊急度の高い絶滅危惧種の保全の取り組みを通じて、人と自然の関係の再構築を提案し、生きものの生息環境も保全する取り組みを進めてきました。普及活動や市民参加型調査を行い環境法の提言も行っています。

NACS-Jだけではなく、地域の方々や団体と協力し、地域の力で地域の自然を守る仕組みを構築することで、持続的な絶滅危惧種の保全を進め、絶滅危惧種の保全という活動をシンボルに地域づくりや活性へとつながる取り組み(自然に根ざした解決策)にも力を入れています。

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