「環境影響評価法施行令の一部を改正する政令案」に意見を提出しました
2011年9月7日
「環境影響評価法施行令の一部を改正する政令案」等に対するパブリックコメント
公益財団法人 日本自然保護協会
保護プロジェクト部 大野正人
意見1:環境影響評価法改正政令案(風力関係)「対象事業の規模要件」について
今後の風力発電所の設置に当たっては、風力発電事業を導入する場合の自然環境へのリスクを環境影響評価によって十分に検討し、自然環境破壊との引き替えにせずに再生可能エネルギーの導入促進や地球温暖化対策を推進していくことが重要である。
風力発電事業の規模要件の水準1~3万kW ごとの比較を検討会でも整理されているように、カバー率(出力ベース)が2万kWであっても54%と、他の発電事業(84~100%)とかけ離れている。規模要件は低く多くの風力発電を法の対象とすることを基本とすべきである。
日本自然保護協会は検討会ヒアリングなどで「5000kW以上とする」ことを提案し、検討会専門家からも「1万kWが適当」という意見が多く占めた。2万kW以上では、改変面積が倍増するだけでなく対象事業も3割減るため、規模要件を高める余地はない。
また、対象規模以下の土地改変であっても、希少猛禽類や渡り鳥や重要な植物群落などへの影響は致命的になりうるため生物多様性上重要な地域は回避、その隣接地への計画は規模に関わらず対象とすること、地域の特性に応じたアセス手続きを担保すべきである。
意見2:環境影響評価法施行規則改正省令案 「インターネットによる公表」について
インターネットによる情報のアクセス性が高まることと蓄積されていくことが重要である。情報活用の面からも縦覧期間後もアクセスできるよう、事業者や地方自治体のウェブだけにとどまらせずに、法アセス対象となる事業については審査をする環境省のウェブ(環境影響評価情報支援ネットワークなど)に一括して掲載すべきである。
以上
ご参考(環境省ホームページ)
「環境影響評価法施行令の一部を改正する政令案」等に対する意見募集(パブリックコメント)について(お知らせ)