綾の照葉樹林プロジェクト 10周年記念フォーラムを開催しました。
9月5日、綾の照葉樹林プロジェクト10周年記念フォーラムが綾町の高年者研修センターで開催されました。
当日は関係者も含め約200人が参加してくれました。テーマは「綾の森が歩んだ10年、これからの10年」ということで、これまでの取り組みを振り返りながら、次の10年に向けて何を目指していくのか、ディスカッションしました。
基調講演では、綾の照葉樹林プロジェクトの取り組みの紹介を崎野宮崎森林管理署長から発表していただき、つづいて兄弟プロジェクトである赤谷プロジェクトについて関東森林管理局赤谷森林ふれあい推進センター所長から紹介していただきました。赤谷プロジェクトとのコラボレーションは、公の場では初めてではないでしょうか。
▲赤谷ふれあい推進センター藤澤署長による基調講演
日本自然保護協会からは、私の他に綾プロ発足当初から関わっていた大澤雅彦顧問と亀山理事長が参加しました。綾プロジェクトも赤谷プロジェクトも森林の伐採や開発問題を通していわば対立関係にあった林野庁と市民団体が協働して森林の保全管理に取り組みという、それまでの関係を目の当たりにしていた方からすると本当に隔世の感がするとのことです。
しかし、復元の取り組みそのものは少しずつ進んで来ましたが、町民の方々に知ってもらう、あるいは参加してもらうことについては課題となっていました。
最後のパネルディスカッションでは、「綾プロ10年~そこが聞きたい!これが言いたい!~」ということで、綾町の方にも参加してもらい、どんな変化があったのかをお話してもらいました。
大澤顧問からは、10年を経て保護林の設定、復元のための基礎調査など成果があったが、その成果がきちんと活用されていないので、体制づくりや拠点施設の設置が必要であることが指摘されました。
▲パネルディスカッションの様子
小西上畑公民館館長からは、町民の方の中にこれまでは休みの時に外に旅行に行っていたのが、最近は綾町内を回るようになったと話していた方があり、これまでになかった変化だと紹介してくれました。
また、山田由美子(てるはの森の会)からは、市内に住んでいたが子育てによいということで綾に移り住んできた。綾プロが進み、ユネスコエコパークになることで、子供達が綾町に誇りをもつことができたことが大きな変化だと語っていました。
亀山理事長からは、綾プロではこれまで多くのデータや報告を重ねてきているのに情報の共有・活用がされていない事を指摘しました。
調整会議でもこれまでは単に各者の報告をしてきただけで、イベントや冊子の作成についての検討ばかりが行われてきており、自然林の復元という本質的な議論がなされてきませんでした。これを契機に調整会議のあり方を変えていこうと提案があり、次回からテーマごとの議論をする時間を設けることになりました。
10年を振り返り次につなげていく上で今回のフォーラムはよい機会になったと思いました。
▲亀山理事長からの閉会の言葉