北陸新幹線問題 環境への影響が大きい 計画ルートが変更されることになりました!
ラムサール条約に登録された中池見湿地(福井県敦賀市)に北陸新幹線の計画ルートがある問題で、3月15日に建設工事の影響評価・予測のための専門家委員会の最終会合が行われました。
そして、ついにこの会合で、現在の計画ルートは以前の環境影響評価時のルート(以下、アセスルート)よりも影響が大きいとの結論が出され、アセスルートを基本にして可能な限り環境影響を減らすよう提言されました。事業者はこの結果を受けて計画ルートを変更する意向を表明しました。最終会合の結果は報道機関で広く伝えられ世界にも発信されました。
NACS-Jは現在の計画ルートが明らかになった当初から、この計画は湿地の自然環境に影響を与えるだけでなく、世界の保護地域のあり方にも影響を与えるとして、計画ルートの変更を求め、要望書を通じた関係者への働きかけや、ラムサール条約事務局など国際機関との情報共有などを行ってきました。そして、環境影響調査の結論が出される2014年度は、特に一般への問題普及に力を入れ、概要パンフレットの作成やチャリティートンボ観察会、国際シンポジウムの開催などを行い、英語資料の作成や国際会議でのアピールも行いました。今回の結果は、これらの活動の成果が実ったものであり、支援してくださった関係者や会員をはじめとした皆様に感謝申し上げます。
新ルートとして提案されたアセスルートであっても条約湿地内を貫通するため、水文環境への影響が懸念されます。これからもできる限り湿地の自然環境に影響を与えない新ルートや工法の検討が実現できるよう活動していきますので、引き続きご協力をお願いします。
(市民活動推進室 福田真由子)