イヌワシが狩りをする環境の創出試験 補足資料1―赤谷の森におけるイヌワシが狩りをする環境とできない環境
自然開放地とは、標高1500~2000mの高標高域に分布する、冬季の多雪のために樹木が生育できない環境です。赤谷の森におけるイヌワシの主な行動範囲のエリア1(面積約3600ha)(以下、エリア1)の中で、約1100haをしめています。主に、夏緑広葉樹林の展葉期(6~10月)に狩りをする環境として利用しています。
老齢な自然林とは、一本一本の樹木が大きく、樹木の間隔が広く、所々に倒木等も発生する環境です。そのため、イヌワシが林の中に入っていくための開けた空間を持っています。現在、エリア1の中で約1700haあります。主に、夏緑広葉樹林の落葉期(11~5月)に狩りをする環境として利用しています。エリア1における人工林と、若い自然林を、将来的にこのタイプの環境にしていきます。
伐採跡地とは、樹木を伐採した直後の樹木のない環境です。3~5年が経過すると樹木が生育して狩りの出来ない環境に変化します。人為的につくり出される環境という点で、自然開放地、老齢な自然林と異なります。現時点で、エリア1の中に存在しません。今回、試験地として、このタイプの環境を創出します。
人工林とは、人が木材生産を目的として、スギやヒノキ等を植えた環境です。樹木の間隔が狭いため、イヌワシは林内に入ることも、上空から獲物を探すこともできません。現在、エリア1の中に約500ha存在します。今回、この人工林を伐採することによって、狩りができる環境を創出します。
若い自然林とは、樹木があまり大きくなく、樹木の間隔が狭く、林内の空間が小さい環境です。そのため、イヌワシは林内に入ることができません。現在、エリア1の中に約300ha存在しています。