ユネスコエコパークに登録された綾で生物多様性地域戦略の策定を進めています。
2008年、生物多様性基本法の中で生物多様性地域戦略の策定の努力義務が規定されました。綾の照葉樹林プロジェクトを進め、昨年ユネスコエコパークに登録された宮崎県綾町でも、綾町、てるはの森の会、NACS-Jで「綾生物多様性協議会」を設立し、生物多様性地域戦略の策定を始めました。「地域戦略」という難しい言葉を使わず、「いのち豊かな綾づくりプラン」という、綾の生物多様性やこれまでの数多くの取り組みをまとめ、今後の地域づくりに活かすための計画です。
昨年度から動植物相の基礎調査を開始しています。さらに今年度は7月に町民全員を対象に「人と自然のふれあい重要地域 調査アンケート」(写真右)を実施し、町民が大切と考えている自然はどこにある何なのかを明らかにする調査を進めています。これらの結果を元に、動植物相のホットスポット、生態系サービスのホットスポットを明らかにし、綾町の生物多様性上重要な場所を見つけ出します。
さらに、綾町は昔から照葉樹林を守り、自然生態系農業を推進し、さまざまな自然と共に生きる取り組みを行政レベルのみならず、地域の人々が中心となり行っています。それらすべてを改めてまとめてみるというワークショップを綾町の役場の職員の皆さん向けに開催しました。ここから、連携を図ったほうが良い取り組みや、不足している取り組みを見つけ出し、今後のアクションプランにつなげていく予定です。
(保全研究部・小此木宏明)