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尾瀬・至仏山登山者の皆さまへ

2010.02.04
活動報告

このため、至仏山保全対策会議(事務局:尾瀬保護財団)を作り、緊急措置として、登山シーズンを3つにわけて、入山のためのルールを決めて、できるだけ自然に負荷を与えない方法をとること決めました。NACS-Jもこの会議に参加しています。

雪が融け、地面が露出しはじめるときは、植物が芽吹きはじめる時期です。この時期の湿潤な地面を踏みつけることは、芽吹きを止めるだけでなく、地表を膜のように流れる水の流れが、川のように変わってしまい、植物の生息環境を大きく変えてしまうことになります。

このような流水の局所集中などの環境変化が、植生帯の裸地化を引き起こします。そこで、2008年4月に以下の3つのルールが決まり、2010年1月に5月連休の入山できる期間が短縮されることになりました。

  1. 5月連休とその前後(入山できるのは6日まで)
    雪がとけはじめた場所には立ち入らない。乗らない。雪から顔を出した地面の下には、芽吹き直前の高山植物が生きています。
  2. 5月7日~6月30日(入山自粛)
    次々に雪が解け、植物の芽吹きに最も重要な時期のため、入山自粛期間とする。
  3. 7月1日開山日以降
    東面登山道(山の鼻-至仏山頂)は上り専用の道として使う。また、残雪が多く残っている間は、雪渓の上を歩く登山技術や装備が必要。さらに日々状況が変化する時期なので、ガイド同伴での入山を推奨。(残雪の上を歩かず、植生帯に踏み込む例が多発しています。)

この考えに基づいて、至仏山の入山にあたっては、同会議から入山者にむけたチラシが公開・配布されています。

この措置をすることだけでは、至仏山の登山道周辺の自然植生が再生していくものではありませんが、これ以上の植生破壊を最小にするための方法です。今後さらに科学的知見を集め、登山道の迂回も視野にいれ、抜本的な対策が取られるよう、活動を続けます。

至仏登山を考えている皆様には、事前にこれらを行動計画に織り込んでいただけますよう、何卒よろしくお願いします。

2010年2月4日
保護プロジェクト部

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