東京で、沖縄の自然と人の暮らしのかかわりを伝えるシンポジウムを開催しました。
7月9日に東京でシンポジウム「沖縄の自然と人の暮らし~名護市東海岸を事例に~」を開催しました。この日は100名近い方がご参加くださいました。
まずは中井達郎さん(国士舘大)から辺野古・大浦湾の地形が多様であり、その結果さまざまな生きものに生息の場が提供され、生物の多様性が豊かになっているとお話をいただきました。
次に、保屋野初子さん(星槎大学)が名護市東海岸の嘉陽集落で行った聞き取り調査の結果、行政もいろいろな仕事をしているが住民と共有が不十分という状況が分かったため、行政や専門家に向けて、住民との情報共有と信頼を醸成をしていくべきという提言をされました。
保護室の安部からは、辺野古・大浦湾についてサンゴ礁域の生物多様性の現状を報告し、この場所が埋め立てられることで喪失する環境は世界的に貴重であることの指摘をしました。
浦島悦子さん(フリージャーナリスト)は、地域の人が暮らしの中でどのように自然と共生してきたのかを史実を踏まえて紹介していただき、基地の建設によってこの豊かな自然を失うことは、地域の人々からこれまではぐくんできた暮らしを奪うことであるとのお話をされました。
この後、パネルディスカッションを行い、サンゴ礁域での漁業権が地域にないことの問題や、21世紀の今、どのように自然を守りながら生きていくべきかについて質疑応答も交え、活発な意見交換ができました。
これを機会に、この豊かな自然がしっかりと保全されるようになることを期待しつつ、今後も保全活動を継続していきたいと思います。