沖縄県に対して沖縄防衛局によるサンゴ移植に際して、沖縄県が特別採捕を不許可にすることへの支持と岩礁破砕許可を今後更新しないことについての要望書を提出しました
沖縄県知事 翁長 雄志 様
知事公室長 謝花 喜一郎 様
辺野古新基地建設問題対策課長
池田 竹州 様
環境部長 大浜 浩志 様
農林水産部長 島尻 勝広 様
ヘリ基地いらない二見以北十区の会
共同代表 浦島 悦子
ヘリ基地反対協議会ダイビングチーム・レインボー
代 表 牧志 治
北限のジュゴン調査チーム・ザン
代 表 鈴木 雅子
ジュゴンネットワーク沖縄
事務局長 細川 太郎
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章
沖縄防衛局によるサンゴ移植に際して、沖縄県が特別採捕を不許可にすることへの支持と岩礁破砕許可を今後更新しないことについての要望
普天間飛行場代替施設建設事業に伴い、翁長雄志沖縄県知事が、国が予定している埋め立て区域内から区域外へのサンゴの移植を不許可とする検討を始めたと報じられています(沖縄タイムス、8月24日)。私たちは、辺野古・大浦湾の生物多様性豊かな自然環境の保全に取り組んでいる立場から知事の方針を全面的に支持します。
環境団体がこれまで指摘してきたように、サンゴの移植はまだ確立した技術ではなく、不確実性が伴います(日本サンゴ礁学会、2008)。そのため、移植技術はサンゴ類の環境保全措置として用いられるような状況にはなく、環境に与える影響を軽減させる手段となり得るものでもありません。また、移植先の選定についても問題があることが、日本自然保護協会(2013年)の指摘からも明らかです。
さらに沖縄県は、来年3月末に期限が切れる辺野古沿岸部の岩礁破砕許可を更新しない措置も視野に入れている(沖縄タイムス、8月24日)と報じられており、普天間飛行場代替施設建設事業を止めるよう、あらゆる県知事権限を行使するという姿勢が伝わってきました。岩礁破砕は国の天然記念物であるジュゴンをはじめとし、サンゴ礁生態系の生物多様性に大きな影響を与えかねない危険な行為です。こちらの方も更新しないという選択をされることを要望します。
この夏の高水温のため、沖縄のサンゴ礁は大きな打撃を受けています(沖縄タイムス7月26日、8月11日)。できるだけ多くのサンゴ礁を手つかずのまま残していただくことが最も効率よく保全できる方法です。沖縄県には、大切な財産であるサンゴ礁を大事にしていただくことも強く要望いたします。
参考資料:
1)日本自然保護協会(2013年)「普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価書(補正後)」への意見の理由書
https://www.nacsj.or.jp/katsudo/henoko/2013/02/post-59.html
2)日本自然保護協会(2014年)沖縄防衛局による岩礁破砕の有無の確認に関する沖縄県の判断についての質問と岩礁破砕許可取り消しの要望
https://www.nacsj.or.jp/katsudo/henoko/2015/12/-201512.html
3)サンゴの白化現象 沖縄周辺で広がり深刻化のおそれも(NHKニュース、2016年8月26日放映)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160826/k10010654381000.html