沖縄防衛局のオカヤドカリ類の捕獲と移動に申請に対する文化庁の同意への抗議
沖縄防衛局のオカヤドカリ類の捕獲と移動に申請に対する文化庁の同意への抗議(PDF)
2015年12月25日
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
文化庁長官 青柳 正規 様
環境大臣 丸川 珠代 様
沖縄・生物多様性市民ネットワーク
代表 吉川 秀樹
ヘリ基地反対協議会 ダイビングチーム・レインボー
代表 牧志 治
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章
沖縄防衛局のオカヤドカリ類の捕獲と移動に申請に対する文化庁の同意への抗議
普天間飛行場代替施設建設事業に際し、沖縄防衛局が申請していた国の天然記念物オカヤドカリ類の捕獲と移動に対し、文化庁が同意通知を出したと報道された。
かねてから指摘してきたように、生物の移動・移植・造成の技術は確立していないので、それを環境保全措置とする姿勢は適切ではない。オカヤドカリ類は亜熱帯地域に固有の貴重種で国の天然記念物に指定されており、コムラサキオカヤドカリは環境省のレッドデータリストで準絶滅危惧種に指定されている。両種とも大切に扱う必要がある生物である。
生物を捕獲し「生息に適した周辺の場所に移動し、保全する」という記述は机上では可能なように聞こえるが、現実には困難である。多くの種は、各種の生息可能な場所に、現在の密度で生息していることに理由があり、新たな環境において多数の個体が存続することには無理がある。
そもそも自然環境は人工的に再生できるものではない。多様な環境が存在し、その結果として多様な生物が棲息している。そのため、国の天然記念物の保護に対する姿勢には大きな誤りがある。
以上のことから、文化庁によるオカヤドカリ類の捕獲と移動に対する同意に、抗議する。
以上