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普天間飛行場代替施設建設事業に係る工事の実施設計及び環境保全対策等に関する「協議」を「集中協議」の期間に実施しないことを求める国への要請書と、沖縄県への要望書を提出しました。

2015.08.17
要望・声明

普天間飛行場代替施設建設事業に係る工事の実施設計及び環境保全対策等に関する「協議」を「集中協議」の期間に実施しないことを求める要請書(内閣総理大臣・内閣官房長官・防衛大臣・沖縄防衛局長宛)(PDF/175KB)

普天間飛行場代替施設建設事業に係る工事の実施設計及び環境保全対策等に関する「協議」を「集中協議」の期間に実施しないことを求める要請書(沖縄県知事宛)(182KB)


2015年8月17日

内閣総理大臣 安倍 晋三 様
内閣官房長官 菅 義偉  様
防衛大臣   中谷 元  様
沖縄防衛局長 井上 一徳 様

沖縄・生物多様性市民ネットワーク
代表 吉川 秀樹
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章

普天間飛行場代替施設建設事業に係る工事の実施設計及び環境保全対策等に関する「協議」を「集中協議」の期間に実施しないことを求める要請書

8月10日より普天間飛行場代替施設建設事業に係る日本政府と沖縄県の「集中協議」が開始されました。私たち環境団体は、日本政府が沖縄県との対話を進めることについては評価しますが、同時に、この「集中協議」の手続き上の位置づけの不明確さ、「集中協議」を行うことにともなう第三者委員会報告書の精査の遅れや影響を非常に懸念しています。

私達は、日本政府と翁長知事との「集中協議」が、2013年12月の埋立承認の際の「留意事項」で示された、同事業に係る「実施設計」及びその実施設計に基づいた「環境保全対策、環境監視等及び事後調査」などについての「協議」の場となること、あるいは日本政府により強引に協議の場とみなされる可能性を懸念しています。

日本政府は、翁長知事や沖縄県民の同建設事業反対の声にもかかわらず、同建設事業を進める方針を変えてはいません。むしろ遅滞を懸念して、さまざまな形で事業を押し進めようとしているのが実状です。事実、去る7月24日には、ボーリング調査の終了を待たず、沖縄防衛局は「協議書」を沖縄県に提出し、協議の段階への移行を試みています。これは、埋立承認の際に留意事項をもって、協議を主導し、協議の方法や時期についても主体的に決定するべき沖縄県の立場を無視したものです。また、「協議書」の内容や、沖縄県の「協議書」の取り下げ要請への回答をみても、科学的整合性を欠き、環境保全を保障する手続きを軽視したものとなっています。

菅官房長官は記者会見で、今回の集中協議について「辺野古沖で実施しているこのボーリング作業、これを中断するとともに、車両による資材の搬入、実施設計、協議等、これについて提示する予定です」と「実施設計」「協議」に言及しています。このことは看過できるものではありません。(沖縄タイムス 2015年8月4日辺野古作業1カ月中断 菅義偉官房長官会見の全文)

次に私たちは、沖縄県が「法的瑕疵あり」とした第三者委員会の報告書を精査し終える前に「集中協議」が行われていること、県の「精査」と「集中協議」の関係性が明確でないこと、それゆえ「集中協議」による県の精査への影響を懸念しています。

第三者委員会の報告書で注視されている「普天間飛行場の危険性」「普天間基地の移設の必要性」の議論、また「辺野古周辺地域の生態系とその価値」や「保全措置」の議論が、「集中協議」でも議論されることは必然的であるがゆえに、県の「精査」との関係や、影響についての懸念が拭えません。

同代替施設建設事業に関するこれまでの環境アセスメント・公有水面埋立承認の手続きの一連の流れにおいても見られてきたように、重要な判断が沖縄県に求められる時期に、沖縄県と政府が接触し、その結果、同建設事業がここまで進められてきた経緯があります。環境アセスメントでは「生活環境と自然環境の保全を図ることは不可能」という厳しい「知事意見」、また埋立て承認手続きでは「生活、自然環境への懸念は払拭できない」という県環境生活部(当時)部長の厳しい意見がでていたのにもかかわらず、最終段階で埋立が承認されたという背景にあったのは、政府と前知事との接触です。

その過程が再び繰り返され、県の精査を経ないまま第三者委員会が出した結論が否定される、あるいは県の審査に影響をあたえるのではないかという懸念を、私たち環境団体だけではなく、多くの国民が持っています。

以上をふまえて、日本政府に以下のことを要請いたします。

  1. 日本政府と沖縄県の「集中協議」が、埋立承認の「留意事項」で要求された「協議」とは異なるものであること、この「集中協議」をもって留意事項の「協議」とはならないことを沖縄県と確認し、国民に対してその内容を説明すること。
  2. この「集中協議」において、留意事項の「協議」を行わないこと。
  3. 菅官房長官がどのような意図で、8月4日の記者会見にて「実施設計」と「協議」について言及したのか、国民に対して明らかにすること。

写し:沖縄県知事

参考資料:普天間飛行場代替施設建設事業に係る工事の実施設計及び環境保全対策等についての回答文書に関して、沖縄防衛局長に抗議文

 

賛同団体(日本政府宛要請書):

二見以北住民の会         会長 松田藤子
北限のジュゴン調査チーム・ザン  代表 鈴木雅子
ジュゴンネットワーク沖縄     代表 比嘉弘
New Wave to HOPE        代表 城間えり子
みん宿ヤポネシア         代表 福永コースケ
沖縄リーフチェック研究会     会長 安部真理子
ジュゴン保護キャンペーンセンター 代表 蜷川義章
泡瀬干潟 博物館カフェウミエラ館 代表 屋良朝敏
千葉の干潟を守る会        代表 近藤 弘
海の生き物を守る会        代表 向井宏
環境女子会☆
泡瀬干潟を守る連絡会 共同代表 小橋川共男、漆谷克秀


2015年8月17日

沖縄県知事 翁長 雄志 様

沖縄・生物多様性市民ネットワーク
代表 吉川 秀樹
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章

普天間飛行場代替施設建設事業に係る工事の実施設計及び環境保全対策等に関する「協議」を「集中協議」の期間に実施しないことを求める要請書

8月10日より普天間飛行場代替施設建設事業に係る沖縄県と日本政府との「集中協議」が開始されました。私たち環境団体は、翁長雄志知事の同建設事業反対の立場のもと沖縄県が日本政府との対話を進める機会を得たことについては評価しますが、同時に、この「集中協議」の手続き上の位置づけの不明確さ、「集中協議」を行うことにともなう第三者委員会報告書の精査の遅れや影響を非常に懸念しています。

私たちは、沖縄県と日本政府との「集中協議」が、2013年12月の埋立承認の際の「留意事項」で示された、同事業に係る「実施設計」及びその実施設計に基づいた「環境保全対策、環境監視等及び事後調査」などについての「協議」の場となること、あるいは日本政府により強引に協議の場とみなされる可能性を懸念しています。

日本政府は、翁長知事や沖縄県民の同建設事業反対の声にもかかわらず、同建設事業を進める方針を変えてはいません。むしろ遅滞を懸念して、さまざまな形で事業を押し進めようとしているのが実状です。事実、去る7月24日には、ボーリング調査の終了を待たず、沖縄防衛局は「協議書」を沖縄県に提出し、協議の段階への移行を試みています。これは、埋立承認の際に留意事項をもって、協議を主導し、協議の方法や時期についても主体的に決定するべき沖縄県の立場を無視したものです。また、「協議書」の内容や、沖縄県の「協議書」の取り下げ要請への回答をみても、科学的整合性を欠き、環境保全を保障する手続きを軽視したものとなっています。

菅官房長官は記者会見で、今回の集中協議について「辺野古沖で実施しているこのボーリング作業、これを中断するとともに、車両による資材の搬入、実施設計、協議等、これについて提示する予定です」と「実施設計」「協議」に言及しています。このことは看過できるものではありません。(沖縄タイムス 2015年8月4日辺野古作業1カ月中断 菅義偉官房長官会見の全文)

次に私たちは、沖縄県が「法的瑕疵あり」とした第三者委員会の報告書を精査し終える前に「集中協議」が行われていること、県の「精査」と「集中協議」の関係性が明確でないこと、それゆえ「集中協議」による県の精査への影響を懸念しています。

第三者委員会の報告書で注視されている「普天間飛行場の危険性」「普天間基地の移設の必要性」の議論、また「辺野古周辺地域の生態系とその価値」や「保全措置」の議論が、「集中協議」でも議論されることは必然的であるがゆえに、県の「精査」との関係や、影響についての懸念が拭えません。

同代替施設建設事業に関するこれまでの環境アセスメント・公有水面埋立承認の手続きの一連の流れにおいても見られてきたように、重要な判断が沖縄県に求められる時期に、沖縄県と政府が接触し、その結果、同建設事業がここまで進められてきた経緯があります。環境アセスメントでは「生活環境と自然環境の保全を図ることは不可能」という厳しい「知事意見」、また埋立て承認手続きでは「生活、自然環境への懸念は払拭できない」という県環境生活部(当時)部長の厳しい意見がでていたのにもかかわらず、最終段階で埋立が承認されたという背景にあったのは、政府と前知事との接触です。

その過程が再び繰り返され、県の精査を経ないまま第三者委員会が出した結論が否定される、あるいは県の審査に影響をあたえるのではないかという懸念を、私たち環境団体だけではなく、多くの県民や国民が持っています。

以上をふまえて、沖縄県知事に以下のことを要請いたします。

  1. 日本政府との「集中協議」が、埋立承認の「留意事項」で要求された「協議」とは異なるものであること、この「集中協議」をもって留意事項の「協議」とはならないことを国と確認し、県民と国民に対してその内容を説明すること。
  2. この「集中協議」において、留意事項の「協議」を行わないこと。
  3. 沖縄県による第三者委員会の報告書の精査と「集中協議」との関係を明確に位置づけ、その位置づけを県民と国民に説明すること。

参考資料:普天間飛行場代替施設建設事業に係る工事の実施設計及び環境保全対策等についての回答文書に関して、沖縄防衛局長に抗議文 

 

賛同団体:

二見以北住民の会         会長 松田 藤子
北限のジュゴン調査チーム・ザン  代表 鈴木 雅子
ジュゴンネットワーク沖縄     代表 比嘉 弘
New Wave to HOPE       代表 城間 えり子
みん宿ヤポネシア         代表 福永 コースケ
沖縄リーフチェック研究会     会長 安部 真理子
ジュゴン保護キャンペーンセンター 代表 蜷川 義章
泡瀬干潟 博物館カフェウミエラ館 代表 屋良 朝敏
千葉の干潟を守る会        代表 近藤 弘
海の生き物を守る会        代表 向井 宏
環境女子会☆
泡瀬干潟を守る連絡会 共同代表 小橋川共男、漆谷克秀
ちゅら海を守り、活かす海人の会 共同代表 西銘仁正、玉栄将幸、大城忠


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