種の保存法に指定すべき希少種を市民が提案できるようになりました
絶滅の危機にある種を保全するため「種の保存法」に指定する国内の希少野生動植物種を国民から提案できるという画期的な制度が9月26日から始まりました。この制度は、昨年度の同法改正の際にNACS-JをはじめとしたNGOの提案・働きかけによって、「2020年までに300種新規指定」などの目標とともに実現したもの。
この市民提案のポイントは3つあります。第一に、保全上の重要性が認識されながらも今まで検討されてこなかった種も候補に挙げられるようになります。第二に、種の指定の提案の際にはその根拠となる各種の生息状況や保全状況などの情報が必要とされているため、これまで不足していた情報を掘り起こし、より効果的な種指定につながります。 第三に、今後指定された種に対して捕獲・開発規制などがかかることによって、既存もしくは今後予定されている保全活動を強化することなども期待されます。
2020年までに300種追加指定を達成し、多くの動植物を絶滅から守るためには、従来の行政中心の活動だけでなく、市民が主体となり保全活動を推進するための新しいしくみが必要です。京都府では、環境省に先駆けて、指定種の保全活動を行う市民団体の財政支援も含めた「協定制度」を設け、すでに7団体が登録して活動を進めています。今後、環境省でも同様の支援を検討すべきです。
国内希少種に指定して保全を優先すべき種の情報をお持ちの方は、ぜひこの機会に環境省へ提案してみてください。
提出方法は、環境省ウェブサイト『国内希少野生動植物種の選定に関する提案の募集について』を参照ください。提案は常時受付ていますが、来年度の種指定に検討されるためには11月28日まで提出する必要があります。
提案書に書き込むべきポイントは、絶滅の危険性の根拠と、今までの保全活動の実績や今後の活動の可能性です。
▲コゴメキノエラン。「国内希少野生動植物種」指定後も盗掘が行われており、指定後の保全体制の構築も重要です。