【辺野古・大浦湾の海の保全】在日米軍に辺野古の臨時制限区域への立ち入り調査の許可の申請を出しました
普天間飛行場代替施設建設事業に伴う臨時制限区域への立ち入り許可のお願い(PDF/352KB)
2014年7月23日
第三海兵遠征軍司令官
米軍沖縄地域調整官
ジョン・ウィスラー中将 様
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章
普天間飛行場代替施設建設事業に伴う臨時制限区域への立ち入り許可のお願い
沖縄県名護市辺野古・大浦湾は生物多様性が豊かな海域であり、なかでも絶滅危惧種ⅠA類(環境省)のジュゴンはその重要な要素です。
普天間飛行場代替施設建設事業のために実施された環境アセスメントは、全般的に科学性に欠ける問題のあるものです。環境アセスメントでは「現在のジュゴンの行動範囲や餌場の利用状況からみて、辺野古地先の海草藻場へ移動し採食する可能性は小さいと考えられます。」と予測しています。2005年から2008年まではジュゴンはこの場所を利用していませんでしたが、2009年以降は少しずつ利用をしていることが、事業者の調査記録にもあります。2014年5~7月の市民調査の結果では、埋立予定地においてジュゴンの食痕が、わずか2か月のうちに110本以上見つかりました。埋め立て予定地周辺の海域にも利用記録があり、環境アセスメントの予測を大きく覆すことであると認識しています。
特に埋立予定地内の海草藻場にジュゴンがどれほどの頻度で来て、どのような種類の海草を採餌しているかを知ることは、今後の保全対策にとって重要です。実態に応じて事業者が予定している環境保全措置の内容も変更が必要です。
今回は エレン・ハインズ(Ellen Hines)博士、レミュエル・アラゴネス(Lemnuel V Aragones)博士をお招きし、長く日本でジュゴンの食痕や海草藻場について調査を行ってきた日本自然保護協会と北限のジュゴン調査チーム・ザンのメンバーが調査員として、埋立予定地に入り、ジュゴンの食痕の調査を行うことを計画しています。
世界のジュゴンのなかで沖縄の個体群は北限に位置します。北限のジュゴンの行動を知ることは世界的にも重要です。
以上のことから、日米両政府が定めた普天間飛行場代替施設建設事業に伴う臨時制限区域への立ち入りの許可を受けたく、次のとおり申請します。
調査予定位置の図面
ジュゴンの食痕は、シュワブ大浦湾側の以下に記した位置に、これまで記録がある(北限のジュゴン調査チーム・ザン提供、日本自然保護協会2014)。これらの地点及び周辺を調査する予定である。
添付:在日米軍に提出した申請書
*8月13日には、米海兵隊太平洋基地司令部のチャールズ・ハドソン小将宛てに改めて送りました。
チャールズ・ハドソン小将 宛て(PDF/99.7KB)
※8月23日(土)夜には名護市内でハインズ博士とアラゴネス博士にお話しいただき、国際シンポジウムを行います。詳細は決まり次第お知らせします。