日本のシンポジウムなどの会議と国際会議の違い
日本の場合だと、最初に挨拶や会の趣旨説明、次に基調講演があり、その後2つ3つ事例発表(あるいは、パネルディスカッション)が行われ、最後に質疑応答があるというのが典型的な会議ではないでしょうか。時間がおして、質疑応答の時間がなくなってしまうという経験をされる方もあるでしょう。
違いその1.質疑応答の時間が長い
国際会議では、時には、発表時間15分、質疑応答15分という時間配分もよくあります。フロアーから質問を受け付けると同時に意見・コメントも受け付けます。フロアー同士での議論が始まることもあります。
これは大事なポイントを示唆しているのですが、一方通行のコミュニケーションで解決する問題(例:温暖化防止のために、省エネしましょう)と、双方向のコミュニケーションで解決する問題(例:21世紀の自然保護とは何かを模索する)は、はっきり分けなければならないということなのです。
これから、皆さんが勉強会などを企画する際には、「問題の質」にあわせて質問や意見の時間を工夫してみてはどうでしょうか。
違いその2.休憩時間が長い
20分から30分のお茶の時間をとります。このティータイムは、人のネットワークを作る時間になります。なにせ、何時間もかけて世界中から集まるのです。旧交を温めることも重要ですし、新しい人々との会話が重要な意味を持ってきます。
会議の後の懇親会もよいですが、食べることもしなければいけないので、意外に話せる範囲が限られているのです。
違いその3.ワークショップはKJ法だけではない
日本でワークショップというと要点を紙に書いてはりつけていくKJ法がよく使われますが、セッション6ではカルーセル(回転式)という手法が行われました。これは広い会場に複数のテーブルを作り、参加者が順繰りに移動して、テーブルごとに設定されたテーマを議論していきます。移動するたびに、これまでのグループが何を話したか、それについて追加や反論、補足があるかと意見を積み重ねていくのです。
また、そのテーブルに常駐するスタッフには、テーマに直接深く関る仕事をする人材が配置され、ワークショップの結果が明日からの自身の仕事に役立つようになっています。
(保全研究部 道家)