欧州CBDレポ3 ドイツNGOフォーラム2日目
2日目は、バイオエネルギーがテーマとなりました。
現在、ドイツを始め「国内エネルギー供給の何%かをバイオエネルギーでまかなう」という数値目標を定める国が増えています。
日本にも古くから薪炭林が里山の周辺に広がっていたことを思い起こしてもらえれば、自然資源をエネルギーにするということはあたらしいことではありません。むしろ、それが政策として促進される(補助金などの予算がつかわれる)ことが大きな問題というのが参加者全員の共通認識です。
つまり、農業の世界に新たに「バイオ燃料用穀物生産」という分野が生まれ、従来の農地の転換(イコール食用穀物の減産)や新しい農地開拓を生み出しており、そのことが天然林の開拓やあるいは食料価格の上昇を招いているのです。
グリーンピースの出席者は、「Biofuelという呼び方は人々に誤解を与えてしまう。Agrofuel(農作物燃料)と呼ぶほうが正しい」と主張されていました。
今回の会議は、初日の「遺伝資源から得られる利益の公正・公平な配分」をはじめ、バイオ燃料の話題など、生物多様性条約の対象の広さを知るとともに、そういう問題にも取り組める海外のNGOの層の厚さにも驚きました。
会議には、アーメッド・ジョグラフ生物多様性条約事務局長を始め、スロバキア環境大臣(スロバキアは、現在EUの議長国)など、政策決定に多大な影響力を持つキーパーソンも呼ばれていました。
これから、イタリア・ローマに移動し、生物多様性条約の保護地域作業部会に参加します。イタリアでの情報収集は、環境省からの請負事業の一環でもあり、そこで得た情報は、2010年に日本での開催の可能性が高い第10回締約国会議の準備に役立つことでしょう。
ドイツNGOフォーラムで、CBDプロジェクトリーダーのギュンター・ミットラッハー氏
ポツダム広場という場所に、ベルリンの壁を見つけました。