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COP10 22日 新戦略計画のコンタクトミーティング

2010.10.22
活動報告

22日、夕方より新戦略計画のコンタクトミーティングを傍聴しました。200名くらいが集まり議論した様子をtwitterで実況しました。

新戦略計画コンタクトミーティング戦略目標12:2020年までに絶滅危惧種の何%を状況改善するかで、10~40%の選択肢と文言を地域ごとの政府団が議論。IUCNも意見する。
2020年までに絶滅危惧種をどこまで回復させるのか。エイっやと合意できそうなものに思えるが、数値と文言に各国思惑くがあるのか、かれこれ1時間続く。対立的でもなく時々ジョークも交えている。日本政府団は相変わらずおとなしい。
…と、うかうかしていたら、スッキリするからと絶滅危惧種の回復の数値目標がなくなってしまった。「小さなグループでこの部分を議論して欲しい」と議長は言っているが、発展途上国が反対している。数値目標を消したい人たちは、正確に測れないような数値を入れても無駄だといい、IUCNは数値入れるべきと反論続けた。
結局目標12は明日に持ち越し、目標5、6、9、11は小グループで検討していたらしく、その進捗状況が報告される。目標11は海域グループの議論を待つことになる。

目標4:sustainable(持続可能)limitとsafe ecological(生態学的に安全な)limitの2つのうちどちらかにするかもめた。EUが反対したので全員一致でwithin safe ecological limitの方が残る。
 
目標9:外来種の侵入経路の管理ついて。アフリカからは国境が陸でつながっているのにどのように外来種をコントロールするのかと深刻な意見が出る。
prioritized(優先する)を入れるかどうか。優先して取り除かなければならない外来種があるのかどうか決めることよりも、生物多様性を保全することが重要だろう、という本質的な意見が出る。どちらも大切。
外来種というのは知らないうちに入ってくるものなので外来種そのものを特定するのではなく、pathway(侵入経路)を特定することが先だろうという意見が出る。島国日本、もっとできることありそうだ。
 
目標13:人為的よる遺伝的多様性の喪失。agricultural(農業)の次にaquaculture(水産養殖)を入れるかどうかで日本が反対意見を示す。本文中からaquacultureという言葉は外し、脚注に入れることで話がつく。水産庁は過敏。
農産物等の遺伝的多様性の損失を「loss(止める)」か「reduced significantly(著しく減らす)」かで議論中。
新しく中国からcurbed(抑制する、制御する)はどうかと提案。もともと「reduced significantly(著しく減らす)」という言葉も中国からの発案。どちらが良いのか?と問う議長に「EU次第だ」と中国。会議参加者笑う。EUは何でも反対して気難しいと思われている。
これはEUと中国の問題だから明日朝までには何とかしてくれ、と議長から指示が出る。他国代表者も持ち帰り検討する。「halted(止める)」という言葉も新たに提案され、選択肢は「curbed(制御する)」「reduced significantly(著しく減らす)」との三択。

目標14: 大切なサービスを提供する生態系の後に「particularly water (特に水)」と入れるか検討中。カナダから水はもちろん大事だが、水だけ特殊のように書くと「水を売ること」など異なる意味に取られる可能性もあると指摘。明日までブラケットに入れておくことにする。
「全ての人が生態系サービスに平等にアクセスできること」の「全て(for all)」という言葉がブラケットに入ってしまった。後ろ向き。目標が野心的過ぎるから慎重にとの声がでる。
更に後ろ向きとなり「全ての人が生態系サービスに平等にアクセスできること(equitable access to ecosystem service is ensured for all)」の文全部がブラケットに入ってしまう。こうして決議案はどんどん野心的でなくなるのか。

目標17:(生物多様性国家戦略、行動計画)はその策定や更新の期限を2015と2020のどちらにするか検討中。2015年で合意しそうだったものの資金次第だとの声が途上国から出る。日本が支援するのではないのか。
基金や締約国の資金協力が得られるならば野心的な方で良いとアフリカが納得し、2015年と決まる。しかしimplement(実行する)に自信がなくなってきたらしく「has commenced implementing(実行を開始する)」などオプションが出て一同笑う。
2015年と目標年は野心的な方が採択されたが、文章はhas commenced implementing(実行を開始)と少し後ろ向きな言葉が選ばれた。締約国すべてが生物多様性国家戦略にもとづく取り組みがはじまることになる。今日はこれにて閉会。

(大野正人・安部真理子/保護プロジェクト部)

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