沖縄生物学会での発表と名護市嘉用の護岸工事
保護プロジェクト部の安部です。
6月4日に母校である琉球大学で開催された第48回沖縄生物学会で「市民によるサンゴ群集モニタリングー沖縄島・大浦湾におけるアオサンゴ群集の変遷の記録-」と題した発表をしてきました。
大浦湾のアオサンゴ群集の発見・サイズの計測、白化現象から回復までの記録取りなど、地域の人たちとNACS-Jが一緒に行ってきた活動を紹介してきました。
沖縄生物学会は地域に根ざした学会なので、学校の先生や地域で活動している水族館などの施設や森林や水産の研究所、地域のNGOなどの発表が多くありました。
今回は座間味村立慶留間小学校の生徒さん3名から、ケラマジカの観察記録のポスター発表がありました。シカの気持ちになり四つん這いになって食草を食べてみたり、顕微鏡でシカの糞を詳しく観察したりしたそうです。身近な自然を詳細に観察し、それを学会で発表するという経験は貴重なものになるでしょう。
楽しい情報交換をする一方で悲しい計画も持ち上がっています。
ジュゴンが餌場として利用している沖縄島の海の環境が破壊されるような工事が持ち上がっています。
高潮対策などを目的に沖縄県北部土木事務所が嘉陽海岸に護岸工事を計画しており(総事業費約3億7000万円)、NACS-Jは沖縄県北部土木事務所に、住民意見を取り入れ公開性を確保するとともに、海岸植生や保安林の機能を向上させる事業に見直すよう求める意見書を提出しました。
意見書の提出は、琉球新報に6/4の記事「自然保護協会が意見書 ―名護市嘉用の護岸工事で―」という見出しで掲載されました。
意見書全文はこちらに掲載:
https://www.nacsj.or.jp/katsudo/henoko/2011/06/post-46.html