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ありあけ大調査 -漁民と市民と研究者が有明海の異変を究明する-

2002.05.07
告知
日本自然保護協会(NACS-J)
有明海漁民市民ネットワーク

1.計画趣旨

有明海の環境を回復するために重要で緊急性の高い調査を、漁民と市民と研究者が協力して行います。
有明海の環境悪化の現状とその原因を解明するためには、科学的なデータを取ることが必要です。しかし、有明海全域におよぶ調査ともなると非常に大がかりなので、漁民・市民の全面的な協力体制を築くことが不可欠でしたが、ようやく実現できる体制が整いつつあります。また、この様な体制を築くことにより、赤潮の発生など緊急に調査を行う必要があるときも直ちに対応できます。

2.「ありあけ大調査~パート1: 溶存酸素モニタリング作戦2002~」の概要

昨年夏、諫早湾を中心とした有明海の広い範囲で、酸素濃度の極端に低い水の塊(貧酸素水塊)が発生していることが、日本自然保護協会の調査により明かとなりまた。この貧酸素水塊の発生する原因として、
1)堤防を締め切ったことによる、諫早湾内での潮流の減少(酸素供給速度の減少)、
2)堤防内側の調整池からの有機物量負荷量の増加(有機物分解に伴う微生物の酸素消費量の増加)
が考えられます。この「貧酸素水塊」がいったいいつ頃から発生しているのか、その発達過程を時間的にきちんと追うことは、諫早湾干拓事業と有明海の環境悪化との因果関係を知るうえで、また今後の有明海の環境回復の方策を探る上で非常に重要な意味を持つ急務の課題となっています。

この発達過程を追うためには、多くの調査員によって、同じ地点で日時を変えた定期的な調査を、複数の調査地点で同時に実施できる体制が必要です。今回の「ありあけ大調査」の第1回プロジェクトでは、多数の漁師の方々が船を出してくださることになりましたので、市民の調査協力者を募ることによって体制を整え、貧酸素水塊の時間的な発達状況の「監視」を行います。

3.調査計画

1)調査内容の講習会(5月25、26日)
佐賀県太良町(5月25日)と福岡県大牟田市(5月26日)の2カ所で、調査に向けた事前講習会を開催します。

漁民の方を対象とした講習会では、海水の取り方や簡単な分析方法など、調査当日に船上で行う作業を説明します。また、市民の方を対象とした講習会では、海水の処理方法(ろ過や保存方法など)や酸素濃度の測定方法(滴定など)などを説明します。

ご希望の方は、漁民版と市民版の両方の講習会に参加していただいても結構です。講習会への参加希望者は事前に参加エントリーを行ってください。(エントリー方法は4を参照ください)
・5月25日
大浦公民館(佐賀県藤津郡太良町大浦:JR肥前大浦駅から歩いてすぐ)
13-15:00 漁民のための講習会(船上での作業内容等)
16-18:00 市民のための講習会(拠点での分析方法等)
・5月26日
大牟田文化会館(福岡県大牟田市不知火町2-10-12:JR大牟田駅から徒歩5分、西鉄大牟田駅から徒歩10分)
13-15:00 市民のための講習会(拠点での分析方法等)
16-18:00 漁民のための講習会(船上での作業内容等)

2) 調査実施日時と作業分担
2002年6月から8月まで、1カ月に2回、合計6回の調査を行います。
予定日:6/8(土)、6/22(土)、7/6(土)、7/20(土)、8/3(土)、8/17(土)
集合時間は午前9時頃、作業は夕方までかかります。集合場所等の詳しい情報は、エントリー終了後にお知らせいたします。

また、調査に係わる作業の分担については、以下の通りで行います。
A. 有明海での調査:有明海漁民・市民ネットワーク会員(漁業従事者)
佐賀県の川副と大浦、福岡県の大和町、長崎県の島原と有明町、熊本県の荒尾の合計6地点に海域調査の拠点を設け、設定した調査日時に割り当てられた調査地点へ赴き、表層と底層(海底から0.5~1m)の採水を行います。また、船上で簡単なサンプル処理および分析(水温や溶存酸素濃度の簡易測定など)を行います。

B. 海水の処理と分析:市民メンバー・研究者
佐賀県大浦、長崎県島原、福岡県大牟田の3カ所に拠点を設け、漁民の方が採水した海水のろ過処理や溶存酸素の分析を行います。分析を行う市民メンバーについては、NACS-J・漁民ネットの会員の方々、調査に興味を持ってくださる市民に協力を呼びかけます。また、溶存酸素以外の分析項目(栄養塩や植物プランクトンなど)に関しては、協力研究者が各自で行います。
なお、毎回の調査につき市民ボランティアを15人程度募集いたします。参加ご希望の方は事前に参加エントリーを行ってください(エントリー方法は4を参照ください)。

C. データの整理・解析:研究者
得られた結果の解析は協力研究者が行います。データの解析は終了し次第、日本自 然保護協会のホームページなどを利用して情報を公開し、すべての協力者、研究者の 間でも迅速にデータを共有できるようにします。

ありあけ大調査・溶存酸素モニタリング調査地点

 

4.調査内容の講習会・調査ボランティアの参加エントリーについて

ありあけ大調査では、毎回の調査につき市民ボランティアを15人程度募集します(分析拠点となる佐賀県太良町、長崎県島原市、福岡県大牟田市にそれぞれ5人程度)。この調査ボランティアと事前に行われる調査講習会への参加ご希望の方は、NACS-Jの「ありあけ大調査 市民ボランティア担当」まで、以下の内容をご記入の上、FAXまたはE-mailでご連絡ください。エントリー終了後、担当からあらためて当日の集合時間および場所をご連絡いたします。
〈記入事項〉
1.お名前
2.年齢
3.住所
4.電話番号・FAX番号
5.E-mailアドレス
6.参加希望日時と場所
調査ボランティアの参加の場合は、分析拠点となる佐賀県太良町、長崎県島原市、福岡県大牟田市のいずれかをご指定ください。

 

5.問い合わせ先

寄付金の振り込み方法や調査説明会・調査への参加についてのお問い合わせは、以 下にお願いいたします。

(財)日本自然保護協会(担当:程木義邦 )
有明海漁民市民ネットワーク(事務局:羽生洋三)

 

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