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泡瀬干潟の埋め立て工事再開に反対するシンポジウムで発表をしました。

2011.12.06
要望・声明
icon_abe.jpg保護プロジェクト部の安部です。
12月4日に東京・雑司ヶ谷にて、シンポジウム「工事を止めろ!沖縄・泡瀬干潟とサンゴの海が消えていく~判決無視・公約違反の埋め立て工事再開に、生き物たちの悲鳴が聞こえる~」が行われました。

小橋川さん発表

はじめにラムサール・ネットワーク日本の陣内隆之さんより「泡瀬干潟の埋め立てとは? 埋め立て計画の概要と経過報告」があり、続いて泡瀬干潟を守る連絡会で写真家の小橋川共男さんから、泡瀬干潟で撮影された写真を100枚ほどスライドショーで映し出しながら、泡瀬干潟がどのような場所で、どれだけ貴重な生物の宝庫であるかのお話いただきました。
その後、同連絡会の前川盛治さんより、計画や予測のずさんさ、政治的な背景や地震や津波による影響予測などの最新情報を交え「今、泡瀬干潟で起きていること~ホットな現場の話題と問題点の解説」がありました。名前が決して公表されない「専門家」によるアセス結果や、首里城や美ら海水族館よりもずっと多い利用者の予測、裁判で勝っても小手先の計画変更で工事が再開されるからくりを解説していただきました。
そして、NACS-Jで現在まで調査をし続けてきた成果をまとめ、安部から「消えていく干潟とサンゴの海 ~環境調査の結果から」をお話しました。
希少種が次々発見されたり、工事後砂州の形が変化してしまい、アセスのやり直しが必要なこと、現在設置されている外枠の堤防は簡易的な構造のため海水の交換があり、今、工事を中止して堤防を撤去すれば、堤防内に生息している生物は生き埋めにならずに済むということを強調しました。
最後にはラムサール・ネットワーク日本のメンバーでもあり日弁連所属の弁護士でもある堀良一さんから「暴走する行政と政治を止めるために」と題したお話をいただきました。
堀さんは、諫早湾の訴訟などでも活動され、自然環境保全の立場から、日本の法制度や公共事業のあり方について研究されています。日本の公共事業は大きければ大きいほど、ムダが多く、有害なものが多いこと、大正2年にできた海を埋め立てる権利を国が保持しているという「公有水面埋立法」の横行、利権に翻弄される開発で結局は地元が潤うことがない構造などの問題点を指摘。国際条約や湿地の重要性の認識の広まりなどから少しずつ風向きは変わってきているものの、これからこうした暴走を止めるためにどういう手が有効かというパネルディスカッションへの問題提起をされました。

ディスカッション

休憩をはさみ、ラムサール・ネットワークの花輪伸一さんに司会をつとめていただき、「泡瀬干潟を保全していくために今後できること」について活発なディスカッションを行いました。
来場者やパネラーから、
・基地問題が横たわる沖縄で、公共事業で豊かになるという発想からの転換を促すこと、
・国政、自治体行政の議員の中から、土建利権にこだわる議員を減らしていくこと、
・院内集会や議員への働きかけは大変だが、こまめに続けていくこと、
・国に対しては、愛知ターゲットの履行を強く迫ること
などが提案されました。
夜の飛行機で泡瀬干潟よりお越しの前川さんと小橋川さんは沖縄に帰り、また座り込み活動などの運動に戻られるそうです。
NACS-Jでは年明けに泡瀬干潟でのサンゴ調査を予定しています。
今回のシンポジウムはラムサール・ネットワークのUstreamサイト
http://www.ustream.tv/channel/ramnet-j)からご覧いただくことができます。

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