セミナー「海をまもる方法~海洋保護区について考えてみよう」が開催されました。
続いて、保護プロジェクト部の安部より、セミナー、「海をまもる方法~海洋保護区について考えてみよう」開催のご報告です。
沖縄県では、普天間基地移設問題や泡瀬干潟の埋め立てなど、多様な生きものが暮らす貴重な海が破壊される多くの危機に直面しています。
2月12日、沖縄・生物多様性市民ネットワークアオサンゴ作業部会は、沖縄の海を守る方法を考えていくため、セミナー「海をまもる方法~海洋保護区について考えてみよう」を開催し、NACS-Jと沖縄・生物多様性市民ネットワークが共催しました。
当日は、市民団体、NGO、行政、ダイビングショップ経営者など合計37名の方々にご参加いただきました。
セミナーは、沖縄・生物多様性市民ネットワーク、アオサンゴ作業部会代表の牧志治さんからの挨拶で始まりました。
最初のスピーカーの向井宏先生(京都大学、海の生き物を守る会代表)は、NACS-Jの沿岸保全管理検討会の座長をつとめていただいています。向井先生は、日本やフィリピン、ハワイ、北方4島など、世界各地の海洋保護区の現状や、海と陸をつなぐ砂浜を維持することの重要性を語られました。
続いて安部は、オーストラリア・グレートバリアリーフの事例を取り上げながら、海洋保護区にはさまざまな保護レベルのものがあることを説明し、沖縄・大浦湾でのアオサンゴ作業部会の取り組みにつなげてお話しました。
井口亮さん(琉球大学)は「研究現場からの情報発信ーウェブサイトを利用したアプローチ」というテーマで、研究者の社会への情報発信の活動についてお話をされました。
すなっくスナフキンの渡辺謙太さんは、「大浦湾の生き物たちを知る」というテーマで、大浦湾での保護活動や沖縄高専の取り組みついて、熱い想いを込めてお話されていました。
最後のパネラーは、沖縄島から高速船で50分ほどの阿嘉島で「カワミチダイビングチーム・民宿川道」を営まれている、沖縄県ダイビング安全対策協議会の垣花薫さんでした。
慶良間諸島と沖縄本島に利害関係が生じたときにどのように対処してきたか、実際に多くの方々の間で調整を行ってきたご経験に基づくお話で、どれも聞きごたえのあるものでした。
講演のあとは、客席からの質問も交え、活発なパネルディスカッションが行われました。
講演者とパネラーの話題がたくさんのテーマに渡ったので、質問もいろいろ内容となりましたが、今回参加者のみなさんで共有されたことは、「困難に直面したときほど、みんなで話し合うことの大切さ」だったと感じました。
NACS-Jも地元のみなさんと話し合いをさらに進めつつ、今後も大浦湾の保全活動を進めていきたいと思います。
【参考】当日配布資料の一部:プログラム・パネラー紹介・講演要旨(PDF/825KB)