第5回IUCN世界自然保護会議(WCC)の2日目。海の保全のための協力。
保護プロジェクト部の安部です。
IUCN世界自然保護会議(WCC)2日目も盛りだくさんでした。
最初はIUCN-J主催「震災で学習した経験のシェアと解決に向けて」という、ノレッジカフェに参加しました。
明日は私がコーディネートするノレッジカフェがありますが、ノレッジカフェを見るのも参加するのもこれが初めてでした。
ご覧いただけるよう、パワーポイントを使える状態ではなく、隣のテーブルで話が盛り上がると、自分が参加しているテーブルの話も聞こえづらくなる・・・という難点が。
(右写真:右から2番目の日本雁を保護する会会長の呉地さんがご自身の震災の経験をお話ししています。)
(左写真:NACS-J専務理事、吉田が三陸国立復興公園について話しています。
午後は2つの海関係のワークショップに出席しましたが、両方の場で、どこの国にも所属していない公海の管理の難しさの話が話題のひとつでした。
もうひとつは海の保全は協力(cooperation)ということでした。
海はつながっているので、このキーワードである「協力」なしには、保全は進まないという話となりました。
「協力」が難しい例として、今ホットな日本・中国・韓国の領土問題も、スピーカーの話や質問者の話のところどころに出てきます。
韓国のセマングム干潟や、ここ済州島で進んでいる海軍の基地建設計画についての対策についての意見もフロアから出ましたが、
海の問題が多すぎて手が回らない、個々の問題の必要性も理解しているが、今はとにかく大きな海洋保護区の設定などの対策が必要とのこと。
これはこれで沖縄の辺野古や泡瀬干潟という、世界から見れば「小さな」問題を担当する私としてはせつなくなりました。
明日はいよいよNACS-J主催のノレッジカフェ「アジア・太平洋型の海洋保護区とは何か」を実施します。スピーカーの清野先生(九大)、吉田理事、と最終打ち合わせです。
明日はフランソワ・シマールさん(IUCN Global Marine and Polar Programme)にもスピーカーとして合流いただけます。
(写真:明日のノレッジカフェに備えて打ち合わせる吉田理事、清野先生、安部)
*WCCの用語の説明
・ワークショップ: 120分のセッション。対話・ワールドカフェ・シミュレーション・ゲーム等の手法を通じて、参加者同士が知識やノウハウを共有し、理解を深め、イシューに対してのコンセンサスが形成できるような場。
・ナレッジカフェKnowledge Cafe’: 最大12名でのテーブルを囲んだディスカッションで、最大で16グループが同時に行われる。相互理解の促進、興味・ネットワーク・経験の共有、パートナーシップの検討などが行われるような場。
・ポスター: 保全活動やその成果など、様々な取り組みを紹介できる場。ポスターエリアの所定のパネルに各団体一枚ずつ、会議終了時まで展示される。