第5回IUCN世界自然保護会議(WCC)で海洋保護区に関するノレッジカフェを行いました。
引き続き、保護プロジェクト部の安部です
9月8日にIUCN WCC会議にてNACS-J主催のノレッジカフェ「アジア・太平洋型の海洋保護区とは何か」を実施しました。
韓国、フィリピン、台湾、日本から計13名(スピーカー3名と私も含め)の参加がありました。
初めに私から5月に公表したNACS-J沿岸保全管理検討会の提言書、
「日本の海洋保護区のあり方~生物多様性保全をすすめるために~」(英語版:https://www.nacsj.or.jp/diary2/images/pdf/mpa_nacsj.pdf)を用いて、日本の海洋保護区の現状やNACS-Jの考える海洋保護区のあり方を説明しました。次に清野先生から対馬や中津干潟での事例をお話しいただき、3番目に吉田専務理事から日本の世界遺産の状況を特に海洋を含む、知床と小笠原に焦点を置いて話していただきました。
最後にフランソワ・シマールさん(IUCN Global Marine and Polar Programme)から、IUCN保護地域カテゴリーに基づいたお話しやコメントをいただきました。NACS-Jとフランソワ・シマールさんは、NACS-Jが石垣島・白保の保全に取り組んでいた頃からの長いお付き合いです。
シマールさん曰く「目的がはっきりしていない場合は海洋保護区とは呼ばない。たとえば生物多様性の保全が目的に入っていない共同漁業権区域などを海洋保護区とカウントしたりするのは意味がない」とのこと。
(右写真:IUCN保護地域について話すフランソワ・シマールさん)
参加者のみなさまからも活発な質問やコメントをいただき、海洋保護区の管理の評価システムや海のモニタリング調査の実施が難しいこと、そしてUNESCOの保護地域であるにも関わらず海軍の基地建設が進んでいるこの韓国済州島のことなど、多様な話題について話すことが出来ました。
(左写真:吉田専務理事がiPadを使いながら解説しています。机の上に広がる資料は、図や写真、表を用いて言葉の壁を越えようとしている現れです。)
(右写真:展示会場ではさまざまな団体がブースを出展しています。ジュゴン保護キャンペーンセンターのブースにて)