第5回IUCN世界自然保護会議(WCC)―IUCNの保護区のグリーンリスト。
続いて保護プロジェクト部の安部です。
WCCでIUCNの保護区のグリーンリスト(IUCN – Green List of ProtectedAreas)の紹介がありました。
脅かされている生物や地域のリストをレッドリストと呼びますが、
その逆のコンセプトで良く管理している保護区のリストを作ろうという動きがあります。
IUCNとWWFと専門家が協力し、取り組んできています。
グリーンリストというコンセプトはまだ新しく、試験段階にあります。
世界基準が作成され、世界初のリスト掲載はコロンビアの公園で、
続いて韓国、ケニア、ネパール、などの公園がリストに載りましたが、
世界基準自体がまだ多くのフィードバックを必要とする状態です。
またそれぞれの国の特有の事情を加える必要も生じることでしょう。
今回はコロンビア、韓国、ケニア、ネパールの公園管理者から報告がありましたが、
リスト掲載により、地元の人たちのモチベーションが上がるという効果があるそうです。
一方で、実際の保全への貢献、つまり守りたいと思っている対象であるゾウやサイやトラの個体数の回復にはなかなかつながらないという難しさもわかってきたそうです。
(右写真:ネパールの公園管理者の発表)
また良い管理事例を共有することにより、管理方法の改善につながることが期待出来ます。
来年は韓国でグリーンリストのワークショップが開かれます。
リストに掲載されるには多くの基準を満たさないといけません。
世界の他の場所が良い管理事例に続くことを願います。
(左写真:ネパールのトラの個体群の様子。右上のグラフを見ると増加しているのですが、期待したほどではなかったようです。)