「千草ヶ原を次世代へ」プロジェクト モニタリング調査2012を行いました。
保全研究部の高川です。
茨城県つくば市には複数の研究所内にまたがった「千草ヶ原(ちぐさがはら)」と呼ばれる広大な草地があります。秋の七草がすべて見られるなど関東でも最も重要な草地のひとつですが、最近の土地利用の変化や過剰な草刈りなどによって環境の変化が生じています。
「千草ヶ原を次世代へプロジェクト」と題した保全管理を進めているこの草地で9月23日、モニタリング調査を行いました。今回の調査は、構内の植生を調査して過去と比較するとともに、6月30日に行った草刈り頻度の抑制のためのテーピング作業(詳細はこちら)の効果を確かめるため行いました。
あいにく当日は雨でしたが、周辺のNACS-J会員さんや研究所の有志職員の方、地元「学園都市の自然と親しむ会」の方々など約15名が集まりました。(右上写真:モニタリング調査の様子。植物の開花・結実状況を記録)
調査の結果、テープの内側ではオミナエシやワレモコウなどの植物が花を咲かせ実を結んでいることが確認でき(右下写真)、6月に行った保全管理の効果と意義を全員で共有しました。しかしテープの外側では草刈りの影響でほとんど開花個体がみつからず、また過去に見られた秋の七草のフジバカマとカワラナデシコが調査範囲内では確認できなくなっていました。
参加者された方々は熱心に写真や記録をとり、今後について様々な意見が活発に交わされました。今後も引き続き管理とモニタリングを行いつつ、ここの素晴しさをより多くの人に伝えていくための新たな会を研究所職員有志を中心に立ち上げようということにもなりました。
NACS-Jでは引き続きこの場所の保全に主体的に関わっていただける会員や周辺の協力者を募集しています。ご興味がある方は下記担当までご連絡ください。(担当:保全研究部 高川)