10月17日 COP11 「ドードー賞」の発表とUNEPの親善大使の指名
インド・ハイデラバードより、道家です。COP11も佳境に入ってきました。
交渉も細部のまとめに入り、また、予定されていなかったイベントが入ったり、少し前まで予定カレンダーに表示されていた会議が消えていたりと、やや混乱しております。
COP11の後半はハイレベル会合も始まり、新しい(ビッグな)ニュースを発表することで、より注意を引くとともに、保全を進める政策決定を引き出すための「一押し」を意図した発表が行われることがよくあります。10月17日に、レッドリストの更新のほかにも2つのに出たので報告します。
1.ドードー賞の発表
ドードーは、マダガスカル沖モーリシャスなどに生息していたという絶滅した鳥です。天敵がいないため羽が退化し飛べない鳥でありました。人の手による絶滅が引きおこされた鳥として有名です。この人の手による絶滅をシンボルにし、COP期間中の交渉で保全に対してネガティブな発言をした国にNGOが与えるのがこの「ドードー賞」です。
▲地元メディアの取材をうけるドードー達
COP10の時に創設され、ドードーの仮装をしたユースによって発表されます。COP10の時はくちばしがカモノハシ(?)っぽくてちょっと気持ち悪かったのですが、今回は少しパワーアップしていました。
受賞したのは、カナダとイギリスです。
カナダは海洋施肥に対するモラトリアムやバイオ燃料などに関する発言に対して、イギリスは構成生物学に対する予防原則の適用(することへの躊躇)や生物多様性オフセットの展開が、批判されました。
(CBDアライアンスのニュースレター『ECO』に詳しく載っています。http://www.cbdalliance.org
候補国を紹介した『ECO』Vol.44(7)と、決定を報じる『ECO』Vol.44(8)/PDFファイル)
2.UNEPの親善大使にパバン・スプデク氏が指名される
親善大使というと、メディアの気を引きそうな歌手や芸術家などを想像しますが、このたび指名されたのは、パバン・スプデク氏でした。
COP10で発表された「生態系サービスと生物多様性の経済学(TEEB)」をまとめ、その後も、自然の価値を資本・財産として国の事業や経済の中に組み込むための活動を展開されています。自然資源の価値を可視化することを強く進め、グリーン経済を実現するための親善大使です。
(←写真左:パパン氏(UMEP親善大使) 右:アキム氏(UNEP事務局長))
メディアが注目するような歌手・芸術家ではなく、企業関係者が注目する経済学者を親善大使にするということ自体が、UNEPの生物多様性に対する企業への期待を表しているということかもしれません。