沖縄・辺野古の環境影響補正評価書が、奇襲のように突然、県に提出されました。
保護プロジェクト部の安部です。
年末12月に入り、沖縄・辺野古の普天間基地移設問題の環境アセスメントが動き出しました。
昨年の年末にこの環境アセスメントの評価書が、未明の県庁に持ち込まれるといったドタバタをご記憶の方も多いと思います。
事業者(沖縄防衛局)から沖縄県庁に評価書が搬入され、その搬入方法の非常識さから内容の不備まで大きく全国でも報道されました。
NACS-Jがそれを分析し意見書を出し、辺野古の海を守る活動をしてきたことは会報やウェブサイトでご報告してきました。
<NACS-J意見書>沖縄・普天間飛行場代替施設建設事業、7000ページの環境影響評価書はデータを恣意的に使い、評価と科学的論理を欠いている。
<昨年末の搬入時の報告記事>
<昨年12月28日の朝4時にアセス評価書が県庁守衛室に搬入されたときのニュース(琉球新報)。>
また今年4月に立ち上げられた有識者研究会についても、NACS-Jはその動きを注視してきました。
<防衛大臣に普天間基地移設計画の環境影響評価書の補正への助言をする「有識者研究会」のあり方に対する要望書を提出しました>。
先週12月13日に有識者研究会の方の最終報告書が出たため、現在、約500ページの報告書を現在読み込んでいる最中です。
<「ジュゴン絶滅 影響なし」有識者研最終報告(沖縄タイムス)>
そして昨日18日に、補正評価書が突然、県に提出されたのです。
<辺野古評価書:5分前 県に突然連絡(沖縄タイムス)>
<防衛局、県に補正書 普天間環境影響評価書(琉球新報)>
不思議なことに、昨日の午前11時過ぎに行われた防衛大臣会見では、最終報告書を受けた
環境影響評価書の補正作業は「まだ作業中で見通しがつかなかった」ようなのですが、
午後3時過ぎには作業も印刷も完了したようです。
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<防衛大臣会見概要抜粋 平成24年12月18日(11時11分~11時33分)>
Q:先週、普天間の辺野古移設に伴うアセスの有識者研究会の最終報告書をまとめました。今月中に作業が終わると聞いていますが、補正作業が終わる日にちと、それを受けて県に補正された評価書を送付する時期とか、そういったスケジュールについて教えていただきたいと思います。
A:有識者研究会の報告を確かに受けました。これが補正の作業に大変重要な役割を果たすということはご承知のとおりであります。これをどのように活かして補正の作業を完了させるかということが我々の課題ですが、まだ作業中でありますので見通しはつきません。
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昨年も年末の作業が大変でしたが、今年の年末も大忙しとなりそうです・・・。
(以下、12月20日追記)
辺野古の環境アセスメントの補正評価書はまだ一般の人には公開されていませんが、昨日19日に沖縄のメディア向けのレクチャーがありました。
記者から教えていただいた情報と先週公表された有識者研究会の最終報告をもとに意見を述べたことが、本日の地元の新聞記事になりました。
事業者によるとまだ希少種の生息場所を隠す作業が終わっていないので公告縦覧できないとのことですが、国民の大きな関心事です。
一刻も早く公開して欲しいものです。
<「一から出直せ」辺野古アセス補正に批判続々(沖縄タイムス)>
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-12-20_42968