里やまの生物多様性指標レポートを発表。
全国の約4割の調査サイトでキツネが確認できなくなっていることが判明。
保全研究部の高川です。
日本自然保護協会が全国の市民調査員と進めている「モニタリングサイト1000里地調査(環境省事業)」の、これまでの調査結果をとりまとめた「生物多様性指標レポート~里山のいきものたちからのメッセージ」(下)ができあがりました。
このレポートは2005年から全国約200ヶ所の調査地で実施している里やまのモニタリング調査の結果を取りまとめたものです。
1300名以上の調査員から集められた70万件ものデータを使って、「種の多様性(いきものの記録種類数)」や「哺乳類からみた生態系の連続性」といった里山の自然環境の健全性を測る指標についての全国傾向をまとめました。
この結果、次のようなことが明らかになりました。
●全国約50ヶ所の哺乳類調査サイトのうち約4割の場所でキツネが全く確認できなかった。
●都市近郊では、カエル類やホタル類・植物・鳥類といった様々な生き物の記録数が少なくなっている一方で、外来植物の種類は多くなっていた。
●カヤ原(草丈の高い草地)をすみかとするカヤネズミの生息面積がここ数年のうちに激減している調査地が多くみられた。
●2009~2011年にかけて、ヒヨドリやウグイスといった様々な身近な鳥の個体数の全国的な減少がみとめられた。
これらレポートの詳細はこちらをご覧ください。
また、今週土曜日1月26日に東京大学弥生講堂で開催するシンポジウムでこれらの成果の詳細について報告します。当日は、全国での調査活動の取り組みについても発表します。みなさん、ぜひご参加ください。
シンポジウムの詳細はこちら。