旧暦3月3日”浜下りの日”に、清野先生と沖縄・嘉陽の現場視察を行いました。
引き続き、保護プロジェクト部の安部です。
今日は1年でもっとも潮が引く日で、沖縄では家族で浜に出て潮干狩りをする浜下りという行事が行われます。
昨年10月にも清野先生に嘉陽の海岸を見ていただいていますが(前回の様子はこちら)、今回は工事の現場を見ていただきました。
北部土木事務所の方に現在の工法などの計画、進捗などを説明していただきました。地元NGO北限のジュゴン調査チーム・ザン(http://teamzan.ti-da.net/)にも同行いただきました。
前回砂浜調査をするために来たときと比べ工事は進んでいました。
護岸のボディとなる部分に糸満から取り寄せた白い琉球石灰岩を用い、それをコンクリートを使わず丁寧に合う形に石の形を調整していく、沖縄古来のお城の建築の技術を取り入れた、きれいな護岸となっていました。
これならば景観に与える影響もなく、環境についても小動物や水の移動などに与える影響は最小限となることでしょう。首里城や今帰仁城など琉球石灰岩、つまりサンゴで出来ている石、を使ったお城を現在でも維持している沖縄ならではの技術と言えるでしょう。
護岸は5月末に完成されます。完成形を見るのが楽しみです。また長期的に見た場合、砂浜の状態など環境に変化が生じないかどうか、先月から行っている砂浜市民調査でウォッチしていく必要があります。
▲浜下りの様子。遠くに点々と人の姿が見えます。
▲視察の様子。左側で質問をしている女性が清野先生です。質問を聞いている男性は北部土木事務所職員です。右側は浦島悦子さん。
▲建設中の護岸の様子
▲石工(いしく)さんが丁寧に、歯医者さんのように、1つ1つぴったりはまるよう石を加工しています。
▲左から清野先生、地元の浦島悦子さん、鈴木雅子さん、嘉陽区長の翁長さん、北部土木事務所職員3名です。後ろにはってある昔の嘉陽海岸の写真を見ながら、嘉陽公民館で話し合いを行っています。
その他の参照ブログ:
●沖縄・嘉陽海岸で砂浜の地形を記録する測量を行ってきました。
●引き続き、嘉陽海岸の砂浜調査を行っています。
※自然環境のことだけを考えるのならば砂浜には何も建てるべきではありません。今回のように何かを建てなければいけないのならばこれが最善策であり、沖縄の自然を考慮した工法であると言えます。