トカゲハゼの産卵への配慮のため泡瀬干潟の護岸工事は一時休止中です。
保護プロジェクト部の安部です。
3月末日をもって泡瀬干潟の護岸の工事はお休みの時期となりました(トカゲハゼの産卵への配慮のため、工事再開は10月となります)。
昨年度行われた工事の様子を見るため泡瀬運動公園から護岸の全体を見渡してみました。
▲2013年4月の護岸の様子
▼護岸の中と外の海の色の違いを比較すると、護岸内の水が黒っぽくなっていることが分かります。中に残っている生き物たちには相当に厳しい状況であることがうかがえます。
そのままにしておけば、この広大な干潟で潮干狩りやタコ採りを、現在よりずっと多くの人が楽しむことができたのに、沖縄市も愚かなことをしたものです。
一方で、この3月の沖縄市議会では、泡瀬干潟の埋め立て事業(東部海浜開発事業)が経済的合理性がないものであることを示す新たな事実が発表されました。
沖縄市は平成30年の観光客数を850万人と推測し、様々な需要予測を行い、それに基づき現在の埋め立て(東部海浜開発事業)が進められていますが、今回、平成30年の観光客数を690万に見直すと議会で答弁しています。多くの観光客が来るために新たなリゾート施設が必要だから埋め立てているということでしたが、現在の年間552万人(沖縄県文化観光スポーツ部観光政策課発表。平成24年4月)と変わらないのならば、新たな施設は必要ありません。
●詳細は泡瀬干潟を守る連絡会のウェブサイト参照 http://awase.net/maekawa/850kara690.htm
泡瀬干潟を守る連絡会では4月27日に干潟観察会などのイベント(下写真)を企画しています。まだ干潟の生き物たちを見たことがない方はぜひ足を運んでみてください。(画像をクリックするとちらしPDFが開きます)
干潟の外にも、この巨大な護岸工事の影響は及んでいますが、まだまだ生物多様性豊かな環境が残っています。NACS-Jは、今ある環境や生物の保全と、壊れてしまった自然の再生を求めていきます。
▲干潟を歩くミナミコメツキガニ(撮影:小橋川共男)