保護・研究部の辻村です。
8月30日に長野県高遠町にある千代田湖キャンプ場で開催された「ちいさないのちの祭り」に行ってきました。この日は「大鹿の100年先を育む会」の方が、南アルプスをトンネルで縦断するリニア中央新幹線の問題についてのトークライブを企画され、そこに参加しました。

トークライブでは、大鹿村の魅力や、子供たちに残したい風景、普通に暮らしたいという想いとともに、計画されているリニア中央新幹線についての疑問や不安が語られました。
また、現在の進捗状況や同じ日に各種報道機関から報道された山梨の実験線での実験再開のニュースの裏に隠された、リニア中央新幹線が通過する沿線住民の方たちの抗議行動についても紹介されました。
私からは、南アルプスの世界にも誇れる自然の価値についてや、そこにトンネルが掘られることの危険性などについて説明をしました。そして、この問題が世の中に本当に知られていないことの危惧についてもお話しました。「風景が無くなるということは歴史・文化が無くなること」という民俗学者である色川大吉先生の文章を引用させて頂き、そうまでして本当に必要なのかという想いを会場に集まってくださった若者たちに問いかけさせて頂きました。
そして、このトークライブ終了後は、山梨の実験線のトンネル工事の影響で沢の水が枯れてしまった現場を見てきました。地元の方によれば、トンネル工事の前には沢が枯れることは、どんなに渇水になってもなかった、だから水源になっていると聞きました。今は、トンネルから噴出する水を一日に何度も往復して運んで水源に給水しています。
JR東海は、今月中に公表される準備書で、何故、実験線の工事で水枯れを予測できなかったのかを検証して、二度とこうした事が起きないように影響評価をするべきです。皆さんも、準備書が公表されたら、この点がきちんと評価されているか是非注目してください。
50年先、100年先の子供たちに今を生きる僕たちは何を残すべきかなのか。我々一人一人が将来の姿をしっかりと想像して本当に必要なことは何かを考えた上でこの問題を見据えてほしいと心から願っています。