(仮称)小平町風力発電事業 環境影響評価方法書に関する意見書を提出しました
北海道西海岸で計画されている(仮称)小平町風力発電事業の環境影響評価方法書に示されている渡り鳥や希少猛禽類の調査方法が不十分であるため、意見書を提出しました。
2025年2月13日
ENEOSリニューアブル・エナジー株式会社 御中
(仮称)小平町風力発電事業 環境影響評価方法書に関する意見書
〒104-0033 東京都中央区新川1-16-10 ミトヨビル2F
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 土屋 俊幸
日本自然保護協会は、北海道留萌郡小平町で計画されている(仮称) 小平町風力発電事業(事業者:ENEOSリニューアブル・エナジー株式会社、最大85,400 kW、基数:最大14基)の環境影響評価方法書(作成委託事業者:株式会社環境管理センター)に以下の意見を述べる。
1.渡り鳥の経路や数を正確に把握するために調査期間を増やすべきである
本事業実施想定区域周辺は、オオハクチョウ、マガン、亜種オオヒシクイ、ノスリ、海ワシ類の渡りの経路である可能性が高い。そのため、本事業による渡り鳥の影響を適切に評価することが重要である。本アセス図書の表6.2-(9)で示されている専門家意見では、「渡り鳥の飛来数や飛行経路については年度変化が大きいため、猛禽類同様2期調査を実施することが望ましい」と述べている。それにも関わらず、表6.2-13(2)で示されている渡り鳥の調査期間は1期のみであり、専門家の意見は無視されている。本事業による希少鳥類の渡りへの影響が強く懸念されることから、最低2期以上の渡り鳥の調査を実施すべきである。
2.本事業による影響を適切に評価するために希少猛禽類の調査日数を増やし、調査地点を見直すべきである
本アセス図書の表4.3.3-5(1)で示されている専門家のヒアリング結果によると、本事業計画地と隣接している苫前町の風力発電施設では、過去に約10件のオジロワシのバードストライクが発生している。したがって、本事業においても、風力発電機へのオジロワシのバードストライクが強く懸念され、オジロワシを含む希少猛禽類の調査は徹底的に行う必要がある。しかし、表6.2-12(3)で示されているように、希少猛禽類の調査は各月3日間しか設定されていない。本事業がオジロワシを含む希少猛禽類に与える影響を適切に評価するためには、希少猛禽類の調査日数は各月最低5日間以上行うべきである。