辺野古をめぐってさまざまな活動を展開しています。
保護・研究部の安部です。
1月27日に、沖縄・生物多様性市民ネットワークなど県内外33の環境、平和団体は、国際自然保護連合(IUCN)侵略種専門家委員会に対し、政府が進める辺野古埋め立て計画で、埋立土砂に伴うアルゼンチンアリなどの侵略的外来種混入の危機を訴え助言を求める文書を送りました。日本自然保護協会も賛同団体に名前を連ねました。
沖縄島は約160の島々からなる沖縄県の一つの島です。沖縄は全体として亜熱帯に位置しており、日本本土からは、地理的に海で隔てられています。そのため亜熱帯固有の生物種が多く生息しています。辺野古の埋め立てのため沖縄へ運ばれる土砂の採取予定場のある幾つかの地域では、侵略的外来種アルゼンチンアリが確認され、深刻な問題となっています。
そのためこのまま運び込まれる場合は生物多様性の保全上大きな問題になるという懸念を訴えました。
提出した文書は以下からご覧いただけます。
◆侵略的外来種の県内侵入と拡散に対する保全策などの助言を求めました。
●琉球新報社説:アルゼンチンアリ 辺野古移設で生態系壊すな
また、沖縄防衛局が講じているジュゴンなどの環境保全対策に関する情報がきちんと米国政府に届いているかどうかが重要なのですが、市民団体が把握してきた情報では不十分であるという懸念から、沖縄・多様性市民ネットワークが中心となり、沖縄防衛局に情報交換・共有を求める要請文を提出し、2月6日に沖縄防衛局と面談を行いました。その結果、米国との情報共有が不十分であり、日本が計画している辺野古の環境保全策の内容がほとんど伝わっていないことがわかりました。
(→沖縄防衛局との交渉の様子。左側手前が沖縄・生物多様性市民ネットワークの吉川秀樹さん、奥が棚原盛秀さん、右手に並ぶのが沖縄防衛局です。写真提供:沖縄・生物多様性市民ネットワーク)
要請文は以下からご覧いただけます。
◆普天間代替施建設計画の環境アセスと埋立承認申請手続きに関する日米政府の情報交換・共有についての要請
沖縄防衛局には年内に要請文を送ったため、年内の報道の報道となっています。
●「環境保全不可能」記さず 日本が米提出の評価書英訳(2013.12.22)
参考:沖縄・生物多様性市民ネットワークのブログ
★防衛局交渉:米軍に情報をきちんと提供している?
★防衛局交渉報告:米側への情報提供・共有はやはり不十分
★ジュゴン訴訟:アセス評価書「要約書」分析
辺野古のことが全国で報道されることも少なくなってきていますが、NACS-Jは今後もあちこちで話をして問題提起をしたり、政府や沖縄県などに意見書などの文書を提出するなどの活動を行っていきます。引き続きご支援お願いいたします。
↓小笠原の外来種であるグリーンアノール(写真)の問題のように、外来生物がいったん島に入ると駆除は困難です。