「自然をいかした地域づくりの展望」10周年シンポジウムを開催!
保護・研究部の出島です。
赤谷プロジェクトは、2003年11月に初めての企画運営会議行い、その翌年の2004年3月に協定を締結して発足しました。10年の節目にあたり、改めて「自然をいかした地域づくり」という普遍的なテーマについて、赤谷プロジェクトと他地域の様々な事例を踏まえながら、ゲストの方々と考える機会を設定しました。
プロジェクト中核3団体の他、みなかみ町民、サポーターの方々にもご参加頂き、登壇者やスタッフも含めて122名でのシンポジウム開催となりました。
登壇者のプロフィールや当日プログラムについては、こちらをご覧下さい。
https://www.nacsj.or.jp/akaya-blog/2014/02/3910.html
↑みなかみ町長に開催挨拶を頂きました。
↑パネルディスカッション1「自然をいかした地域づくりの展望」
↑パネルディスカッション2「赤谷プロジェクト次の10年」
第1部では、みなかみ町及び、赤谷プロジェクトの活動について簡単にご紹介させて頂き、「自然環境から多くの恵みを得ることで、より持続力を持つ人の社会をつくるため、人と自然の新たないい関係づくりをどう行っていくか?」という、本日の問題提起をさせて頂きました。
第2部では、長池卓男さん(山梨森林総合研究所)からは研究者の立場から自然をいかしたちいきづくりの課題をお話して頂きました。沖修司さん(国有林野部長)からは、国民の森を管理する立場から、国が行っている世界との約束やその実施状況についてご報告頂きました。挟土利平さん(高山市環境政策推進課長)からは、持続的な利用を目指した先進的なエコツーリズムの事例として、乗鞍山麓五色ヶ原の取り組みをご紹介頂きました。山崎亮さん(スタジオL代表)からは、日本各地でコミュニティーデザインという考え方で地域づくりを進めてきた経験と、サンフランシスコのミューアーウッズ・ナショナルパークの事例を紹介して頂き、科学者と市民をつなげるデザインの必要性について提案して頂きました。
第3部では、赤谷プロジェクトの発足の経緯なども振り返りながら、赤谷の森が地域の宝物であり、プロジェクトの取り組みが世界的レベルの活動であることを、地域内外で共感し発信していくことを課題として認識した上で、赤谷の森への交通アクセスの改善や、拠点づくり、スペシャルな赤谷の森ツアーづくりなど、具体的なアイデアを出し合いました。
今回のシンポジウムは、赤谷プロジェクトをはじめて知る方、長年関係してきた方、それぞれの思いでご参加頂いたと思います。その感想も様々ではないかと思っております。
赤谷プロジェクト関係者が次の10年の「自然をいかした地域づくり」を考える契機になるとともに、この普遍的なテーマに取り組む方々にとって少しでも参考になったと感じて頂ければ幸いです。
最後に、今回のシンポジウムの開催にご尽力いただいた、東京農工大学の皆様、プロジェクト関係者の皆様、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。
※このシンポジウムの内容は別途とりまとめてご紹介させて頂く予定です。