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環境省が、日本の沿岸の重要海域を抽出しました。

2014.05.12
活動報告
icon_abe.jpg 保護・研究部の安部です。
 
正式な発表は今夏となるそうですが、一足早く、環境省が日本の沿岸270か所を重要海域に選定したとニュースが流れました。
 
●生態系保護へ「重要海域」 環境省、沿岸270カ所選定
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0900M_Z00C14A5CR0000/
 
共同通信配信の記事には、NACS-J保護・研究部長の志村のコメントが次のように掲載されています。「選定された重要海域が、より中身のある保護区設定に向けた基礎データになるよう期待したい」。
 
一方で沖縄の2紙(琉球新報、沖縄タイムス)のトップには『「重要海域」県内18か所 辺野古沖』と大きな見出しで、普天間飛行場移設先の辺野古も重要海域に選ばれたことが報道されました。
 
琉球新報の31面には「辺野古豊かさ裏付け 関係者「基地建設は矛盾」」という見出しのもと、稲嶺進名護市長が、「国が大浦湾はじめ沖縄の海の貴重さを認めた。その海を基地建設のために埋めることは矛盾しており、環境省は辺野古の海の希少性を発信してほしい」という旨のコメントが報道されています。
 
並んで、私のコメントも次のように掲載されました。
 
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辺野古海域で調査をつづけている 日本自然保護協会の安部真理子さん(理学博士)は今回の重要海域抽出検討会を傍聴していた。「沖縄防衛局が設置した、環境保全策を検討する環境監視委員会でもきちんと重要海域を議論すべきだ」と強調した。埋立海域周辺は県の環境保全指針でランクⅠ(自然環境の厳正な保護を図る区域)に評価されており、「知事は判断を見直すべきだ」とも言及した。
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沖縄タイムスにも私のコメントが「重要と認定した海域で大規模基地を建設するのでは、政策として全く整合性がない。環境省は防衛省に環境保全を求める意見を出すべきだ。県も埋立承認を見直す必要がある」と紹介されています。
 
先日、海外の科学者より "El Nino is coming back."と題した発表がなされ、1998年に世界中で広くサンゴ礁に影響を与えたエルニーニョ現象の再来も懸念されており、多くの人達が世界中でサンゴ礁への影響を心配しています。
 
● "El Nino is coming back."
http://news.sciencemag.org/climate/2014/05/el-ni%C3%B1o-coming-back
 
●琉球新報:辺野古は重要海域 海洋保護区に設定すべきだ
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-225046-storytopic-11.html
 
このようななか、沖縄に残されたサンゴ礁は特に大切で、また辺野古・大浦湾は特に生物多様性保全上重要であることがこれまでのNACS-Jの調査でも明らかになっています。埋立が止まり、真の意味で辺野古のサンゴ礁が海洋保護区になることを願っています。

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