7月5~6日、岩手県大船渡市にて自然観察指導員講習会を開催しました。
教育普及部の大野です。
7月5~6日、岩手県大船渡市碁石海岸にある大船渡市立博物館を会場に、第488回自然観察指導員講習会を開催しました。昨年の11月に開催した宮城県南三陸町での講習会に続き、東日本大震災後の東北沿岸での2回目となる開催で、株式会社日清製粉グループ本社が協賛してくださいました。
復興が進むなか、「自然観察会」が地域の自然と文化を見つめ直す機会として、子どもたちの自然体験や教育に、また、これからの地域づくりやエコツーリズムなどの原動力になってほしいという思いがあります。
今回は、地元の大船渡市や陸前高田市、住田町の気仙地区在住の方が9名参加してくださり、他にもこの地域でパークボランティアや森林インストラクター、ガイドボランティアなどの活動をされている方が多く参加されたのが特徴的でした。
全面協力いただいた大船渡市立博物館には、震災当時の記録写真が展示されており、当時の震災の様子の何とも言い表せない凄まじさと人々のたくましさを感じることができます。
実習のフィールドは、三陸復興国立公園「碁石海岸」。美しい三陸の海の景観地で、海風とともにウミネコの声と打ち砕ける波の音が海風とともに聞こえてくるなか、自然をみる視点を養う野外実習を行いました。
アンケートでも「自然の見方が変わった(視点を変える、寝そべる、うつ伏せ、しゃがむ・・・)」といった感想も寄せられました。受講した方たちが、自然観察という視点「めがね」でみえてきたものは、何でしょうか。
講師の秋山幸也さんが担当した「自然の観察」講義の最後に、高槻成紀さん(麻布大学教授)による「THE OAK TREE(ナラの木)」(Johnny Ray Ryder Jr.作)という詩の東北ことばに訳す活動が紹介されました(詳しくは、がんばれナラの木 http://blog.goo.ne.jp/oaktree1949 )。大船渡で生まれ育った受講者の方に気仙語で「ナラの木」を朗読してもらいました。
また、青森の講師小関孝一さんにも、津軽弁の男言葉での朗読してもらいました。どちらも、独特な力強さがありひしひしと心に迫るものがありました。自然観察会でも、余所行きの言葉でなく、自分のことばで、その土地のことばでやることが、地域で繰り広げるコツなんですね。
講習会の最後のプログラムは、恒例「ミニ観察会」の実習。各班についた自然観察指導員ネットワーク岩手の先輩指導員による和やかな雰囲気のなか「新しい自然観察指導員」が様々な観察会を披露し、盛り上がりました。
こうして、新たに39名の自然観察指導員が誕生しました。皆さんこれからよろしくお願いします!
★自然観察指導員講習会は全国各地で開催しています。
本日7月28日は、栃木県那須塩原市で9月13~14日開催する講習会の申し込みがスタートしました! 詳細はこちらをご覧ください。
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