特集「エイリアンスピーシーズ」その1
会報『自然保護』No.450(2000年10月号)より転載
(イラストレーション:浅野文彦)
近ごろ動物たちの世界に妙なことが起きている。
縁日で売られているミドリガメが大きくなって池に棲み着いている。
ときにワニも見つかる。毒グモが見つかる。
騒々しい聞き慣れない鳥の声が、ウグイスやツグミの鳴き声をかき消す……。
「移入動物」という言葉を知っているだろうか。
本来いないはずの動物が、いつの間にかそこここに棲みついている。
おかげで日本本来の自然が改変されようとしている。
これらの動物たち、もとはと言えば人間の勝手で持ち込んだもの。
「移入動物問題」って何か。
自然の本来の姿はどうすれば守れるのか、考え始めよう。
目 次
- ▶ケーススタディ(1)逃亡ペット/北海道~アライグマに乱される生態系と農業
- ▶ケーススタディ(2)外来魚密放流/琵琶湖~釣り人気の的、ブラックバスが在来魚を食べる
- ▶ケーススタディ(3)意図的導入/奄美大島~ハブ退治せず奄美の希少種を脅かすマングース
- ▶どうする、移入種 日本での「移入種問題」ガイドラインを考える
- ▶IUCN ガイドラインとは 移入種問題専門家、グリーン博士に聞く
- ▶コラム
・バス釣りは悪か?ブームに沸く業界
・アライグマ問題に学ぶ~情報公開 - ▶まとめにかえて