IUCN 種の保存委員会(SSC)外来侵入種による生物多様性喪失防止のためのIUCNガイドライン
目次
- 背景
- 目標と目的
- 用語の定義
- 理解と認識
- 防止と導入
- 根絶と管理
- 種の再導入とのつながり
- 知識と再調査問題
- 法と制度
- IUCNの役割
- 参考文献と関連情報
- 謝辞
補遺
1.背景*1
生物の多様性は、世界中で多くの脅威に直面している。在来種の多様性に対する主な脅威のひとつは、外来侵入種による生 物学上の侵入であると科学者や政府によって今認識されている。外来侵入種の衝撃は、はかりしれなくて、油断のならない、いつもは逆行できないものである。その衝撃は、生息地の減少と退化と同じくらい地球規模で在来種と生態系に損害を与えているのかもしれない。
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2.目標と目的
このガイドラインの目標は、外来侵入種の有害な影響による生物の多様性のさらなる損失を防ぐことである。その意図は、生物多様性条約の第8(h)条を実施するために政府と管理機関を手助けすることである。この条約には、次のように述べられてある:
“(h)各契約当事者は、できるかぎり適切に、生態系、生息地あるいは種を脅かすその外来種の導入を防ぎ、管理し、根絶すべし。”
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3.用語の定義*2
“外来侵入種”は、自然のあるいは半自然の生態系または生息地に定着するようになる外来種が変化の動因であることを意味し、在来の生物の多様性を脅かす。
“外来種”(非在来の、非原産の、外国の、異国の)は、その自然的範囲(過去または現在)と分散潜在能力外に存在する種、変種または下等の分類群を意味する(たとえば、その範囲外で、外来種は、生まれつき占領するか人間による直接的または間接的な導入あるいは管理なしで占領する事ができなかった)し、生存し、その後繁殖するかもしれないようなどんな部分もつまり種の配偶子あるいは珠芽も含む。
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4.理解と認識
4.1.指導原理
- 情報と知識に基づく理解と認識は、述べることのできるおよび述べなければならない優先すべき問題として外来侵入種を定着させるためになくてはならないものである。
- より良い情報と教育および社会のあらゆる活動分野による外来種侵入問題に対する改善された公的認識は、意図しないあるいは認定されていない導入の危険性を防ぐか減じること、および提案された意図的導入のための評価と認可手順を確立することの基本である。
- 外来侵入種の管理と根絶は、もしも知識のある協力的な地域社会、特殊な企業およびグループによって支持されると、もっとうまくゆくようである。
- うまく伝達される情報と調査結論は、教育、理解と認識に不可欠の条件である。(8節を参照して下さい。)
4.2.奨励された行動
- 外来侵入種問題に関して関連企業および地域社会の特別な関心と役割を確認し、適切な情報と奨励された行動でその関心と役割に目標を定めなさい。各攻撃目標グループに対する特別なコミュニケーション戦略は、外来侵入種よって引き起こされる危険性を減じさせるように求められるでしょう。一般大衆は、考慮されるべき主要な攻撃目標グループである。
- 認識高揚の重要な構成要素として広範囲に入手できる最新で、正確な情報を容易に利用しなさい。電子書式、マニュアル、データベース、科学雑誌および人気のある出版物等の情報で様々な読者に目標を定めなさい。(また8節を参照して下さい。)
- その問題のより良い認識と理解に至る情報ないし教育努力ための主要な攻撃目標グループのような活発な有機体と同様に製品の輸入業者および輸出業者に目標を定め、防止策における彼らの役割と可能な解決策に目標を定めなさい。
- 最良の実践ガイドラインを開発し、それに従い、ガイドラインへの支持を監視するよう私企業に勧めなさい。(5.2および5.3を参照して下さい。)
- 重要な優先事項として、国内と国家間両方の、むしろ旅行に出発する前に、旅行者に情報や推薦された行動を提供しなさい。
- 外来侵入種によって起こされる諸問題についての認識を高めるよう自然保護観察旅行事業の旅行業者に勧めなさい。環境上攻撃されやすい島の生息地と生態系(たとえば、湖、山脈地域、自然保護地、荒野地域、孤立した森林および近海海洋生態系)に異質植物(特に種)および動物の意図しない輸送あるいは認定されていない導入を防止するための産業ガイドラインを開発するためにそのような旅行業者と一緒に仕事をしなさい。
- 身元確認と規制のような局面に対する実践的な訓練に加えて、検疫、境界線管理、あるいは種多用性に対するより大きな背景と脅威に気付いた他の関連機関のためにスタッフを訓練しなさい。(5.2節を参照)
- あらゆる防止、根絶および管理計画の計画立案段階にコミュニケーション戦略を組み入れなさい。効果的な協議が地域社会とあらゆる影響を受けた関係者たちと協力して行われることを保証して、たいていの潜在的な誤解と相違は、前もって解決されか同意され得る。
- 教育過程および学校における適当な場所で、外来侵入種問題およびその問題を述べるために取られ得る行動を含めなさい。
- 意図的なおよび意図しない外来種の導入にあてはまる国内法が、関係国の市民や機関によってばかりでなく、旅行者と同様に製品とサービスを輸入する外国人によってもまた知られ、理解されていることを保証しなさい。
5.防止と導入
5.1.指導原理
- 外来侵入種の導入を防ぐことは、最も安価で、最も効果的で、最も好まれる選択権であり、最も高尚な優先権を保証するものである。
- たとえ長期間の潜在的な外来種侵入の結果について科学的に不確実であっても、潜在的な外来種侵入の導入を防ぐためには迅速な行動がふさわしい。
- 攻撃を受けやすい生態系は、行動のために、特に防止発議権のために、および特に重要な生物の多様性の価値基準が、危険な状態である時、高尚な優先権と調和すべきである。攻撃を受けやすい生態系は、湖および他の淡水生態系、雲に覆われた森林、沿岸の生息地および山脈生態系のような島々や孤立した生態系を含んでいる。
- 多くの外来種の生物の多様性についての衝撃が、予想できないので、意図しない導入を確認し防止する幾つかの意図的な導入と努力は、予防原理に基づくべきである。
- 外来種という面においては、ある導入が無害であるだろうという筋の通った見込みがなければ、この導入は、有害でありそうなものとして取扱われるべきである。
- 外来侵入種は、消極的に生活の発展と質に影響を及ぼしうる”生物汚染”の働きをする。それゆえに、外来侵入種の導入に対する一部の規定する反応は、”汚染”が土着の生物の多様性に対する損害を示す場所に対して”その汚染する人が、報いる”という原理で当然あるべきだ。
- 生命安全脅威は、包括的法と制度上の枠組の開発と実行を正当化する。
- 意図しない導入の危険性は、最小化されるべきである。
- 意図的な導入は、関連機関あるいは当局から公認されて、ただ行われるべきだ。公認は、生物の多様性理由(生態系、種、ゲノム)に基づく包括的評価を必要とするのが当然である。公認されていない導入は、防止されるべきである。
- ある外来種の意図的な導入は、もし環境に対する積極的な効果が事実上のおよび潜在的な反対の効果にまされば、ただ許されるべきである。特に島々、淡水系あるいは地方特有性の中心のように、孤立した生息地と生態系に当てはまる時、この原理は、特に重要である。
- ある外来種の意図的な導入は、もし起こりそうな結果が生物の多様性の根絶あるいは重要な損失になるだろうということをどこか他のところでの体験が指摘すれば、許されるべきではない。
- ある外来種の意図的な導入は、もし在来種がその導入がためされていないという目的に適しているとは全く考えられないならば、ただ考慮されるべきである。
5.2.意図しない導入―推薦された行動
不幸にも、広範囲にわたるいろいろな方法と手段で起こる意図しない導入を管理することは、大変困難でありうる。この方法と手段は、確認し、管理し防止するための最も難しいタイプの行動を含んでいる。本来、意図しない導入を最小化する最も実用的な手段は、主要通路を確認し、規制しモニターすることによるのである。通路は、国々と地域間で変化するが、最もよく知られているのは、国際および国家貿易ルートであるが、そこを通って多くの外来種の意図しない行動と確立が起こる。
意図しない導入の見込みを減じるための推薦された行動は次のようなことである:
- 意図しない導入に至る通路を確認し管理しなさい。意図しない導入の重要な通路は、国家および国際貿易、観光事業、海運業、バラスト水、漁業、農業、建設事業、地上および航空輸送、林業、園芸、庭師、ペット貿易および水産養殖等を含んでいる。
- 生物多様性条約に対する契約関係者、および他の関連する国々は、貿易が外来侵入種の導入と流布を促進するだろうという危険性をかなり減じる目標を持って、広範囲な関連する国際貿易当局と産業会社と共に仕事をするべきである。
- 共同産業ガイドラインと管理規則を開発しなさい、これは意図しない導入を最小化するか排除するものである。
- その行動によって起こる意図しない導入を最小化するか排除するための地域貿易団体とその協定を調べなさい。
- 外来侵入種の導入を手助けする経済奨励金の排除;もし欠点が全く証明できないことがないならば、外来種の導入のための法的制裁措置;防止、根絶および管理活動のためと同様に、境界線および検疫管理における用途のために、国あるいは地域による外来侵入種に関する国際的に手に入る情報のような方策を探究しなさい。(また8節を参照して下さい。)
- バラスト水の排出と外皮への付着から生じる外来種侵入の問題を減じるために適切な発議権を実行しなさい。この発議権は、より良いバラスト水管理業務;改善された船舶デザイン;国家バラスト水計画の開発;調査、標本抽出およびモニタリング管理体制;バラスト水の危険性についての港湾当局および船の乗組員に対する情報等を含んでいる。バラスト水に関する現存の国家ガイドラインと法を利用しなさい(たとえばオーストラリア、ニュージーランド、アメリカ合衆国等)。国家、地域および国際レベルで、バラスト水および沈殿物排出に関する国際海事機関のガイドラインにような国際ガイドラインおよび勧告を広めなさい。(また9.2.2節を参照して下さい。)
- 外来種の意図しない導入を妨害するために検疫および境界線管理規則と設備および訓練スタッフを適切に配置しなさい。検疫および境界線管理規則は、農業と人間の健康に主に関連する狭義の経済的根拠だけを、さらに各国がさらされる独特の生命安全脅威を前提とするべきではない。7.主通路を経由して到達する意図しない導入を妨害する改善された履行は、境界線管理および検疫サービスの責任と手段の拡大を必要とするかもしれない。(また9.2を参照して下さい)
- 境界線管理法と手順書を通してあるタイプの製品または包装紙と関連する意図しない導入の危険性を述べなさい。
- 不注意と悪習慣を通して意図しない導入に責任がある人々に適用するために適切な罰金、罰則あるいは他の処罰を適切に配置しなさい。
- 輸出および輸入国々の政府によって設置された生命安全制度を備えている生きている有機体の輸送おあるいは移動を取扱う企業による応諾を保証しなさい。モニタリングと管理の適切なレベルに服従する活動を準備しなさい。
- 外来侵入種に対して危険性の高いおよび高度に攻撃されやすい島国のために、外来侵入種を管理する高いコストを避けたいと願う政府に対する最も費用効果がある選択権を発展させなさい。この選択権は、より偉大な調査および妨害能力を含む生命安全脅威へのもっと全体論的なアプローチと検疫および境界線管理業務のより良い方策を含んでいる。
- 以前孤立した植物群と動物群を混ぜ、地方の生物の多様性をかき乱すかもしれない生態地理学的地帯を横断する運河、トンネルおよび道路のように、大規模な土木工事計画を評価しなさい。そのような計画の環境影響評価を必要とする法は、外来侵入種の意図しない導入に関連する危険性のアセスメントを必要とするのが当然である。
- 万一意図しない導入が生じれば、公的協議を含む迅速で効果的な行動するために必要な条項を適切に配置しなさい。
5.3.意図的な導入―推薦された行動
- 侵入についての法的改革の一部として’生命安全’機関あるいは当局のような適切な制度上のメカニズムを確立しなさい(9節を参照)。現在大部分の国々の法的枠組は、めったに全体論的やり方で意図的な導入を取扱わないので、このことは、大変高尚な優先権であるし、すなわち、導入されるように思われるあらゆる有機体とあらゆる環境に対するその有機体の効果を考慮に入れている。いつもの態度は、農業などの部門に対してのものである。その結果、行政および構造上の取り決めは、いつもはあらゆる範囲の入来する有機体とその有機体が導入されている環境に対する影響および緊急事態に対する迅速な反応の必要性を取扱うのに不充分である。
- 提案された導入が認定されるべきかどうかについての決定に到達し、輸入を発展させ、ガイドラインを発表し、適切なところに特別な条件を据える権限を生命安全機関あるいは他の制度上のメカニズムに与えなさい(運営業務が他の機関と共に存在するべきである。9.2.1を参照)。
- 効果的な評価および意思決定プロセスに最大限重点を置きなさい。外来種の導入についての決定に到達する前に評価プロセスの一部として環境影響評価および危機アセスメントを実行しなさい。(補遺を参照して下さい)
- 提案された導入が生物の多様性に反対に影響を及ぼさないだろうという証拠の趣旨を準備するよう意図する輸入業者に要求しなさい。
- 政府内の関連団体との、非政府組織(NGO)および、適切な事情のもとでは、評価プロセスにおいて、隣国との協議を含めて考えなさい。
- 特別な実験的試み(たとえば食物の好みあるいは外来種の伝染性をテストすること)がアセスメントプロセスの一部として行われるよう関連機関に要求しなさい。そのような試みは、しばしば生物学上の管理計画に必要とされ、そのような試みのための適切な実施計画が開発され、注目されるべきである。
- 評価プロセスがありそうな環境衝突、危機、費用(直接的および間接的、財政上のおよび非財政上の)便益、および二者択一問題を、輸入国の生命安全当局によって確認され、査定されたので、考慮に入れることを保証しなさい。それからこの当局は、ありそうな便益がありそうな損失にまさるかどうかを決定する立場にある。関連情報に加えて、仮決定の公的発表は、生命安全機関が最終決定をする前に当事者からの具申の時期と一緒に試されるべきである。
- 適切であればおよび適切な場所への導入についての抑制条件を課しなさい。さらに、モニタリング必要条件は、しばしば管理の一部として必要な次の発表である。
- 法的条件にかかわらず、起こるかもしれない偶然の逃亡を含むのと同様に、貿易に関連する幾つかの侵入の危険性を最小化するために輸出業者や輸入業者に最良の実践基準に触れるよう勧めなさい。
- 認定されていない意図的な導入を妨害するために検疫および境界線管理規則と設備および訓練スタッフを適切に配置しなさい。
- 結果として生じる根絶あるいは認定されていない意図的な導入に関する管理費用のために刑事上の処罰および公民としての責任を進展させなさい。
- 認定されていない導入が発生し、あるいは外来種の認められている導入が突然あるいは偶然に生物学上の侵入の潜在的な脅威に帰着するという場合には、根絶あるいは管理するために迅速で効果的な行動を取る能力を含めて、条件が適切であることを保証しなさい。(6節および9節を参照して下さい。)
- 貿易が意図しない導入を促進するだろうという危険性を減じるために地球および地域レベルで必要とされる努力をすることはもちろんのこと(5.2節)、意図的な導入に影響を及ぼす貿易に関連する国際法律文書および業務を改善する機会を利用しなさい。たとえば、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)の当事者は、外来侵入種がその条約の実施上もっている密接な関係を述べている。類似の発議が関連する国際貿易当局および産業会社についてためされるべきである。
6.根絶と管理
潜在的あるいは実質上の外来侵入種が発見された時、言い換えれば、防止がうまく行かなかった時逆の衝突を静める段階は、根絶、抑制および管理を含んでいる。根絶は、完全にその外来侵入種を除去することにねらいがある。管理は、その多数あるいは密度の濃い外来侵入種の長期に及ぶ削減をねらいとしている。特別な場合の管理は、抑制であるが、そのねらいは、外来侵入種の広がりを制限し、限定された地理的境界線以内のその影響力を抑制することである。
6.1.指導原理
- 外来侵入種の導入を防止することが、当然最初の目標であるはずだ。
- 迅速な行動を取る能力に加えて、潜在的あるいは知られている外来侵入種の新しい導入の早期発見は、しばしばうまく行く費用効果の高い根絶へのかぎである。
- 潜在的生物学上の外来種侵入のかかわりあいについての科学的あるいは経済的確信の欠如は、根絶、抑制あるいは他の管理手段のための理由として用いられるべきではない。
- 故意にあるいは偶然に導入された外来侵入種に対する適切な手段をとる能力は、法律で備えられるべきである。
- 外来侵入種を根絶しあるいは抑制するための最良の機会は、侵入の初期にあるし、その時人口は少なく特定の場所に集中化する。(この機会は、関連する種および他の地域要因によって、短いあるいは長い期間存続するかもしれない。)
- 新しいあるいは現存する外来侵入種の根絶は、長期間の管理よりももっと費用効果の高い、特に新しい事例には。
- 根絶は、生態学的に可能でなく完成するべき必要な財政的および政治的責任をもっていないならば、企てるべきではない。
- 根絶に対する戦略上重要な集中点は、モニタリングおよび根絶活動のために、国際港や国際空港のような主な侵入通路での弱点を確認することである。
6.2.根絶―推薦された行動
- 根絶が成し遂げられる場合には、防止が失敗したところではどこでも外来侵入種を取扱うための最良の管理選択権として根絶を促進しなさい。これは、進行中の管理よりもっとずっと費用効果の高いもので、環境のためにより良いものである。科学技術上の改善は、根絶が可能である場所、特に島々の数を増加させている、根絶は、海洋環境でもっと困難であるように思われる。成功するべき根絶のために触れる必要のある基準は、補遺で取上げてある。
- 潜在的に外来侵入種がはじめて発見されるとき、早急に十分な手段および専門的知識を結集させ活性化しなさい。
遅延は、著しく成功の機会を減じる。その土地の知識と共同体認識は、新しい外来種侵入を発見するために用いられ得る。その状況によって、一国の反応は、その国内に存在するかもしれないし、他の国と協力的な努力を必要とするかもしれない。 - 新外来種侵入が生じて、まだ十分認められていない場所での根絶に優先権を与えなさい。根絶の方法は、目標にされていない在来種に対する長期間の影響が全くないという客観性のためにできるかぎり明確であることを保証しなさい。目標にされていない種の偶然の損失は、根絶の避けられない費用であるかもしれなし、在来種への長期間の便益と比較されるべきである。
- その環境における毒素の固執は、根絶の結果として起こらないということを保証しなさい。しかしながら、長期間の管理のために好ましくない毒素の使用は、短期で集中的な根絶キャンペーンで正当化されるかもしれない。毒素使用の費用および便益は、注意深くこの状況において評価される必要がある。
- 動物を排除する方法は、できるだけ倫理的で苦痛を与えないものであるが、関連する外来侵入種を永久に除去するねらいと一致していることを保証しなさい。
- 利益団体は、倫理的あるいは私欲理由のために根絶に反対するかもしれないことを考慮に入れて、包括的協議戦略を含め、その計画の必須の部分として提案されたどんな根絶のためにも共同体の支持を進展させなさい。
- 非常に特有の生物の多様性を持ち、あるいは脅かされる風土病を抑制する島々および他の孤立した地域での外来侵入種の根絶に優先権を与えなさい。
- 関連する場合、重要な在来種のいる島々および他の孤立した地域からかぎとなる異質哺乳類の捕食動物(たとえばネズミ、ネコ、イタチ、イヌなど)を根絶することで生物の多様性のための重要な便益を成し遂げなさい。同様に、脅かされる土着植物および動物種のための重要な便益を成し遂げるために根絶へ向けてかぎとなる野生異質哺乳類の草食動物(たとえばウサギ、ヒツジ、ヤギ、ブタなど)に目標を定めなさい。
- 適切な場合、専門家のアドバイスを求めなさい。幾つかの種に関係する根絶問題は、種を根絶するための最良の指令を決定するように、しばしば複雑である。多くの学問領域にわたるアプローチは、再導入のためのIUCNガイドラインで推薦されているように、最も良いかもしれない。
6.3.管理の望ましい結果を明確にすること
管理成功に関連する基準は、その管理が便益をねらいとする種、生息地、生態系あるいは風景における反応である。ただ沢山の外来侵入種を減じることに専念することではなく、外来種侵入によって生じる損害を測定することに専念することが重要である。まれに害獣の数とその衝突との関係は、単純なものである。ゆえに密集している外来侵入種の削減を評価することは、必ずしも脅威に曝されている在来種、生息地または生態系の幸福な状態の改善を示すわけではないでしょう。成功の適切な基準を確認し、十分モニターすることは、まったく困難でありうる。そうすることは重要であるが、もしその主要な目標、すなわち生物の多様性の損失を防ぐことは、成し遂げられるべきである。
6.4.管理の方法を選択すること
管理の方法は、社会的に、文化的におよび倫理的に受け入れられ、能率的で、汚さないものであるべきだし、逆に土着の植物群および動物群、人間の健康と幸福、国内の動物、あるいは作物に影響を及ぼすべきでない。この基準のすべてに合わせることは、到達するには困難でありうるけれども、この基準は、好まれる結果と管理の費用便益を比較考証する必要性以内で、適切な目標として見られ得る。
特別な環境は、非常に変化しやすいので一般的に好まれる方法についての広範囲のガイドライン与えることは、ただ可能であるにすぎない。特別な方法は、広範囲の方法よりも良い。生物学上の管理機関は、物理的あるいは化学的方法に比べてときどき好まれる逸品であるかもしれないが、導入とその後のモニタリングの前に厳格な審査を必要とする。物理的除去は、異質侵入植物の地域を明確にするための効果的選択でありうる。化学物質は、できるだけ特殊で、持続性のない、そして食物連鎖で累積的でないものであるべきだ。有機塩素化合物を含む絶え間ない有機体汚染物質使用されるべきでない。動物の管理方法は、できるだけ人道的で、その管理のねらいと調和しているべきである。
6.5.管理戦略―推薦された行動
根絶と違って、管理は、種々のねらいと目的を持っている進行中の活動である。採用されうる幾つかの種々の戦略アプローチがあるけれども、管理戦略は、共通な2つの要因を持つべきである。第一に、求められる結果は、在来種のために増加を遂げる必要があり、明確に表現され広く支持される必要がある。第二に、その結果を成し遂げるために時間外労働をして必要とされる財源を費やすには管理および政治参加が必要である。ひどく集中して気乗りのしない管理努力は、どこでも十分に費やされるかもしれない財源を浪費することができる。
推薦された行動は、次の通りである:
- 望ましい結果に従って外来侵入種問題を優先させなさい。これは、在来種の多様性と異質侵入で最も危険に曝されている人々のために最も価値のある地域を確認することを含むべきである。この分析は、管理技術の進歩を考慮に入れるべきであり、ときどき再調査されるべきである。
- 主要な目標種、管理地域、方法論およびタイミングを確認し、応ずることを含む正式な管理戦略を作成しなさい。その戦略は、すべての地域あるいはすべての国に適用され、たとえば生物多様性条約の第6条の必要条件(”条約および支持できる用途に関する一般条例”)として適切な地位を持つべきである。そのような戦略は、公然と得られるべきで、公的寄付に率直であり、規則正しく再調査されるべきである。
- 根絶がうまくいきそうにないとき、だがその外来種侵入の範囲が制限され、定められた境界線以内での抑制がありうる場合にだけ、適切な戦略としてさらなる広がりを止めることを考えなさい。抑制境界線の外側での正規のモニタリングは、幾つかの新しい発生を根絶するために迅速に行動するの場合、欠くことの出来ないものである。
- 外来種侵入の数の長期間の削減が、ある行動あるいは関連した行動をする仲間を採用することによって(多様な行動管理)より遂げられるように思われるかどうかを評価しなさい。団結した行動のいちばん良い例は、生物学上の管理機関の成功した導入から生じている。これは、”古典的な”生物学上の管理計画である。この本質の幾つかの意図的な導入は、適切な管理とモニタリングに従うべきである。(また5.3、9節および補遺を参照して下さい.)
排除柵は、幾つかの環境では効果的団結した行動管理基準でありうる。多様な行動管理の例は、同時にいろいろな物理的化学的な方法と結合された生物学上の管理機関を使用する統合した害獣管理である。 - 科学者と管理機関との情報の交換を、外来侵入種についてばかりでなく管理方法についても助長させなさい。技術が、連続的に変化し、改善しているので、用途のための管理機関についてのこの情報を承認することが重要である。
6.6.外来侵入種としての狩猟鳥および野生化した(ペット)種-―推薦された行動
野生動物は、最も攻撃的で、自然環境に対して、特に島々に損害を与える外来種の幾つかでありうる。彼らが持っているどんな経済的あるいは遺伝上の価値にもかかわらず、土着の植物群と動物群の保護は、いつも野生化した(ペット)種によって脅かされる場所にまさるのは当然である。それにもかかわらず、土着の生物の多様性にひどい損害を引き起こしている幾つかの外来侵入種は、建設的な文化価値を、しばしば狩猟および魚釣りの機会のために獲得してきた。その結果は、管理目的、利益集団と共同体との闘争でありうる。このような事情のもとで、その問題を見事に処理するのにより長くかかるが、決断は、共同体支持をもつ協議および適応性のある管理アプローチと連結して、外来種侵入の損害を与える衝突についての公的認識および情報キャンペーンを通して成し遂げられうる。危険分析と環境影響評価は、また行動と解決の適切な進路を進展させるのに役立つかもしれない。
推薦された行動は次の通りである:
- どこか他のところで、生物の多様性価値を守るもっと厳格な管理を実行するけれども、狩猟のための特別な地域を指定することによって公的土地の狩猟闘争を管理することを考えなさい。この選択は、その外来種に付随する高価値あるが、生物の多様性価値が依然として地方化した行動を通して守られ得る場所にそれを適用することを制限される。
- 荒野における根絶が計画されている監禁状態あるいは順応に対して典型的な数の野生動物の排除についての選択を評価しなさい。
- 野生動物として損害を被ることで知られている家畜、たとえばネコ、ヤギなどの開放と逃避を防ぐために十分な注意を払うように所有者や農民に強く勧めなさい。
- 高価な経済的あるいは損害を被り易い生態学上の影響が続くように思われる環境においてそのような開放と逃亡をやめさせるために法的処罰を開発しなさい。
7.種の再導入とのつながり
7.1.指導原理
*成功した根絶および幾つかの管理計画は、いちじるしく在来種の再導入のありそうな成功を改善することができるし、それによって、在来種の多様性の早期の損失を裏返す機会を提供することができる。
7.2.根絶と管理業務および再導入とのつながり
外来侵入種をうまく排除する根絶業務、あるいは取るに足りないレベルまでにその排除を低下させる管理業務は、いつもはその生息地を占領するか以前占領していた在来種のためにその条件を改善する。これは、特に多くの大洋の島々にあてはまる。根絶は、しばしば再導入のための準備の一部として企てられる。
再導入のためのIUCNガイドライン(1995年5月)は、”再導入を承認しあるいは実行するそのような計画に対する直接的、実践的な手助け”を準備するために開発された。このガイドラインは、実行可能性の研究、場所選択ための基準、社会経済および法律必要条件、個人の健康および遺伝審査、および監禁あるいはリハビリセンターからの動物の提案された離散を囲む問題を含んで必要条件と条件を苦心して作り上げる。これは、再導入が適切で関連する目的であるかもしれない根絶あるいは管理業務の計画の一部として触れられるべきである。これは、もしどんな再導入の提案を再調査すれば、また触れられるべきである。
根絶および管理業務に適用する社会経済考察は、おおいに再導入も適用するし、すなわち共同体および政治上の支持の重要性、財政上の公約および公的認識である。このことは、在来種を再導入するための提案と客観的な根絶についての協議を結びつけることを費用効果的にする。それは、幾つかの根絶〈価値のある動物を殺すこと〉の消極的面を再導入する在来種の積極的便益(回復する遺産、再現あるいは経済価値)で相殺する追加された利点を持っている。
8.知識と再調査問題
8.1.指導原理
*あらゆる段階で(地球的、国家的、地域的)外来侵入種に対するキャンペーンの本質的要素は、関連する情報および経験の効果的で時を得た収集と分かち合いであり、同様に、これは、外来侵入種の調査およびより良い管理の発達を手助けする。
8.2.推薦された行動
- 世界中に広がった外来侵入種の問題を述べるための主要な要請として十分な知識ベースの開発を勧めなさい。多くのそのような種とその管理について多くの事が知られているけれども、この知識は、不充分なままであり多くの国々と管理機関へアクセスすることは困難である。
- 外来侵入種の地位についての情報、貢献、生物学、侵入の特長、衝突と管理選択権を含んで、あらゆる知られた外来侵入種の容易に接近できる地球的データベース(あるいはつながれたデータベース)の開発の貢献しなさい。政府、管理機関および他の弁護士がこの貢献に参加すべきであるというのは大切なことである。
- 容易にすべての利害関係者に接近できる国家的、地域的および地球的レベルで外来侵入種の”ブラックリスト”を開発しなさい。”ブラックリスト”は、既知の外来侵入種に注意を集中させるための有益な道具であるが、ブラックリストは、表に載っていない外来種が潜在的に有害でないということを意味すると見なすべきではない。
- 国家的および国際的な調査主導権を通して、次の知識を改善しなさい:遅延効果を含む、その侵入プロセスの自然環境;侵入種間の環境上の関係;種と種の群れがどんな条件でも侵略的になるようであるという予知;外来侵入種の特長;外来侵入種についての地球上の気候変化の衝突;現存するおよびありうる未来の媒介動物;外来侵入種の導入と関連する環境上のおよび経済的損失;人間活動によって生じる情報源および通路など。
- 取引された商品、包装材料、バラスト水、個人の手荷物、航空機および船舶からの外来種を排斥するか除外するためのより良い方法を開発し広めなさい。
- 次のことについてさらに管理調査を勧め、支持しなさい:外来侵入種の根絶あるいは管理のための効果的、目標のはっきりした、人道的におよび社会的に受け入れられる方法;早期発見および迅速な反応システム;モニタリング技術の開発;特殊な読者に向けての情報を集め、効果的に広める方法など。
- 外来侵入種の管理における実践的な体験から学ばれる幾つかのレッスンがその知識ベースに貢献できるようにモニターしたり、記録したりおよび報道したりすることを勧めなさい。
- 外来侵入種問題についてのより広い理解と認識を促進するために現存する情報および体験をよりよく利用しなさい。4節と8節で取上げられた行動間には強力なつながりを必要とする。
9.法と制度
9.1.指導原理
- 外来侵入種からの脅威に対して各国による全体論的な政策、法および制度上のアプローチは、国家的、地域的および地球的レベルで生物の多様性を保護に対する必要条件である。
- 効果的な反応策は、改善的なと同様に防止的な行動を備える国家法の有効性に依存している。そのような法は、また明確な制度上の責任、包括的業務上の権限、および外来侵入種からの事実上のおよび潜在的な脅威に関する責任の効果的統合を確立するべきである。
- 国家間の協力は、潜在的に外来侵入種の導入に対する危険性を防止するか最小化するために必要な条件を保証する事が必要とされる。そのような協力は、国家間の権限あるいは管理以内での活動が他の国々の環境に損害を与えないということを国々が保証しなければならないという責任に基づくべきである。
9.2.推薦された行動
9.2.1.国家的レベル
- 生物の多様性の保護とその構成要素の支持できる使用のための国家的戦略と計画の状況以内で、外来侵入種からの事実上のおよび潜在的脅威に反応するための国家的戦略と計画を進展させることに高尚な優先権を与えなさい。
- 適切な国家法が正しい場所にあり、万一そのような種が侵略的になった場合、その国家法は、救済できる行動と同様に、外来種の国際的および非国際的導入に関する必要な管理を供給するということを保証しなさい。そのような法の主要な要素は、前節で、特に5節および6節で確認されている。
- そのような法は、一国以内の生態地理学上の境界線を横切る外来種の国家的あるいは非国家的導入によって生じる生物の多様性に対する脅威を述べるためにと同様に潜在的外来侵入種の境界線の発見のように、緊急事態に迅速に反応するために必要な行政上の権力を供給するということを保証しなさい。
- 明確な権力と機能をもって、国家法の実施と施行に責任のある単一の当局あるいは機関の指示を、可能な場合はいつでも保証しなさい。万一このことが不可能であるとわかった場合には、この分野において行政上の行動に協力し、関係当局の明確な権力と責任を主張するメカニズムが存在することを保証しなさい。(注釈:実施と施行に関するこの業務上の役割は異なっている、および5.3節で推薦された”生命安全”機関の特殊な機能に加えて。)
- 外来侵入種問題のすべての面は、その技術の状態によって取扱われ、しかもその法が実施され施行されることを保証するために、制度上および行政上の機構を含めて、国家法を定期的に再調査しなさい。
9.2.2.国際的レベル
- 地球的であっても地域的であっても、外来侵入種問題を取り扱い、それぞれの関係者たちのために義務的な権限を制定する国家条約の規定を実行しなさい。この条約の最も顕著なことは、生物多様性条約であり、たくさんの地域協定である。
- 外来種導入に関する決議案、管理法あるいはガイドライン、たとえば国際海事機関のバラスト水に関するガイドダンスのような、特殊な地球的および地域的条約に対して関係者たちによってためされる決定を実施しなさい。
- 外来種導入の防止あるいは管理に関しては、双方のあるいは多数国参加の基本原理に関してさらなる協定を行い、あるいは現存協定を採用する望ましい状況、あるいは事情に応じて、必要性を考えなさい。このことは、特に、世界貿易機関の後援による協定のような貿易に関する国際協定の考察を含んでいる。
- 隣国のために、そのような境界線横断の場合に迅速な反応を考慮に入れ、発展させるためと同様に、例えば、情報警戒態勢通して、情報を分かち合うための協定を含む、潜在的外来侵入種が境界線を横切って移動するのを妨げるために協同行動の望ましい状況を考えなさい。
- 一般的に、外来侵入種によって生じる損害を防止しそれに立ち向かうための国際協力を発展させ、管理技術と同様に危機アセスメントに関連する能力増強、と同様援助および技術移動を用意しなさい。
10.IUCNの役割
- IUCNは、CABインターナショナル、国連環境計画(UNEP)および環境問題に関する科学委員会(SOPE)に加えて、地球侵入種計画(GISP)*3に貢献し続けるでしょう。
- IUCNは、科学的、技術的および政策アドバイスを与えることによって、8(h)項を実行するために生物多様性条約のプロセスおよび会議に積極的に参加するでしょう。
- IUCN(その委員会、計画および地方局を含む)の構成要素は、侵入種に関するIUCN地球発議権を支持するために共に作動するでしょう。
- IUCNは、国連環境計画、国連食料農業機関、環境問題に関する科学委員会、世界貿易機関および国際民間公益団体のような国際機関を含んでこの問題に関連する他の機関との結束と共同計画を維持し、発展させるでしょう。IUCNは、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約の当事者、生物多様性条約(CBD)の当事者、ラムサ-ル条約の当事者、および南太平洋地域環境計画(SPREP)のような地域計画とともに努力するでしょう。
- IUCN地域ネットワークは、管理選択権と同様に、外来侵入種の問題、在来種の多様性に対する様々な脅威および経済効果についてあらゆるレベルで公的認識を高めることに重要な役割を演じるでしょう。
- 種の保存委員会(SSC)のIUCN侵入種スペシャリスト・グループ(ISSG)は、その国際ネットワークを通して、外来侵入種に関する、防止および管理方法に関する、および特に外来種侵入に関係する生態系に関する情報を集め、編成し、広め続けるでしょう。
- 絶滅のために脅かされている種および高レベルの風土病および生物の多様性のために脅かされている地域を確認することに関するIUCNおよびSSCの独自の仕事は、支持されるだろう。この仕事は、外来種侵入危機および行動するための優先地域を評価するときに関連し、このガイドラインの事実上の実施に関連している。
- 次のような行動を含めて、ISSGの進行中の仕事は、支持されるでしょう:外来侵入種の管理と根絶についてのイクスパート・アドバイザー名簿の開発および維持;外来侵入種ネットワークの拡大;時事通信および他の出版物の製作と分配等である。
- IUCNは、他の協力機関と提携して、能力強化計画の開発と移動(たとえば下部構造、管理、危機と環境アセスメント、政策、法等)の遂行に、そのような援助を要求しあるいはその現存するあるいは提案された外来侵入種計画を再見することを欲しているどんな国をも支持して、率先して当るでしょう。
- IUCNは、国々、貿易機関および財政機関(たとえば世界貿易機関、世界銀行、国際通貨基金、国際海事機関など)とともに、国際貿易と財政協定、実施規則、正式条約および国家協定が、生物の多様性に持ち出される脅威の問題と外来侵入種と関連する財政費用および経済損失を考慮に入れるべきであるということを保証するために、仕事をする積極的な役を務めるでしょう。
- ISSGは、外来侵入種問題に関するその法的および制度上の枠組を再見し、改善するために、国々に援助をする時、IUCN環境法計画の仕事を支持するでしょう。
- ISSGは、外来侵入種について地域データベースおよび早期警告システムを開発し、懇願する当事者への関連情報の能率的および時を得た散布を保証するために、他の協力機関とともに働くでしょう。
11.参考文献と関連情報
このガイドラインの指導原理と本文は、部分的に次の重要な文書に基づき、あるいはそこに源を発するものである:
生きた有機体の転地。IUCN姿勢声明書、1987年。IUCN、グラン、スイス。
再導入のためのIUCNガイドライン。1995年。IUCN、グランド、スイス。
輸入管理法および外来種管理機関の開放。国連国連食料農業機関、1995年。FAO、ローマ、イタリア。
アメリカ合衆国の有害非在来種。アメリカ合衆国議会、技術アセスメント局、OTA-F-565、1993年。アメリカ合衆国印刷局、ワシントン DC。
議事録。外来種に関するノルウェーおよび国連条約。生物の多様性に関するトロンドヘイム条約。1996年7月1日から5日まで。自然調査ノルウェー協会、トロンドヘイム、ノルウェー。
不要な水生有機体と船舶バラスト水および流送土砂流出からの病原体の導入を防止するためのガイドライン。国際海事機関(IMO)決議案 A。774(18)(4.11.93)(添付書類)。
12.謝辞
IUCNは、喜んで、侵入種スペシャリスト・グループ(ISSG)および共同作業が、このガイドラインの製作を可能にした外来侵入種に関する他のエキスパートの献身と努力を認める。IUCN環境法計画からのデータも、喜んで認められる。
補遺
1.環境影響評価(EIA)
提案された導入種が環境上起こすかもしれない衝突に関するEIA議事録のおける包括的質問は、次のことを含むべきである:
- 提案された導入種は、他の場所で侵略的になったという歴史をもっていますか。もしそうであれば、その種は、再びそうするように思われ、導入は考えるべきではない。
- 数が増加しているおよび損害を生じさす外来種の発生する見込みというのは、特にその種が導入される生態系に対して、どうなのか。
- 分散方法を当てられた場合、その外来種が他の生息地に広がり侵入する見込みというのは、どうなのか。
- 提案された導入について生物学上のおよび気候上の変化性の自然サイクルのありそうな衝突は、どうなのか。(火事、干ばつおよび洪水は、事実上、異質植物の行動に影響を及ぼしうる。)
- 遺伝上、異種交配を通して在来種の遺伝子プールを水浸しにするか汚染する外来種にとっての可能性は、どうなのか。
- 新種の攻撃的多数体侵入を生産するために在来種とその外来種を異種交配することができるのか。
- 病気あるいは寄生生物に対するその外来種宿主は、導入のため提案された地域の土着の植物群あるいは動物群、人間、農作物、あるいは家畜に伝え得るのか。
- 捕食者としてでも、食物、植物の競争相手としてでも、他のどんな方法においてでも、その提案された導入が、在来種の人口の持続された存在または安定を脅かすことができる可能性は、どうなのか。
- もしその提案された導入が、逃避の意思はまったくもたない静かな地域においてであれば、偶然逃避が起こる可能性はどうなのか。
- 人間の幸福、健康あるいは経済活動についてのどんな上述の結果のありうる否定的衝突は、どうなのか。
2.危機アセスメント
このことは、提案された導入と関係のある関連危機を確認し、その危機の各々を評価することを求めているひとつのアプローチに触れている。危機を評価することは、彼らが発生する見込みと同様に提案された導入の潜在的逆効果の大きさおよび性質を調べることという意味である。その危機を減じ、提案された導入に対する代案を調べる効果的な手段を確認すべきである。その提案された輸出業者は、しばしば、決定を下す当局による要請として危機アセスメントを実行する。
3.根絶達成に満足する判断の基準
- 人口増加の割合は、あらゆる人口密度で消極的なのが当然である。大変低い人口密度で、場所を突き止め、最低の2、3の個体を取り除くことは、次第により困難で費用がかかるようになる。
- 移動は、まったくあってはならない。これは、ふつう、沖合いのあるいは大洋の島々にとって、あるいは大変新しい外来種侵入にとって、可能であるにすぎない。その人口のあらゆる個体は、行われている根絶の技術に対して危機に曝されているに違いない。もし動物が、えさをまくのに内気になり、罠をしかけるのに内気になれば、個人の部分的集合は、もはやそのような技術に対して危機に置かれていないかもしれない。
- 大変低い人口密度での種のモニタリングは、到達され得るに違いない。もしこのことが、可能でないならば、生存者は発見されないかもしれない。植物の場合、土壌の種床の生存は、調べられるべきである。
- 十分な基金と献身が、連続して要求された時期を越えて根絶を完了するために存在しなければならない。モニタリングは、その結果に筋の通った疑いが全くなければ、根絶が成し遂げられたことが信じられた後に、基金が出されなければならない。
- その社会政治的環境は、根絶の努力をしている間じゅう、協力的でなければならない。目的は、根絶が始められる前に、実行性のあるかぎり討論され解決されるべきである。
脚注
- *1 3節の用語の定義
- *2 IUCNによるこのガイドラインの採用のときに、外来侵入種に関連する標準の専門用語は、CBD文脈のなかでは開発されてはいない。この文書の中で用いられた定義は、外来侵入種によって生じる在来種の多様性の損失の特別な状況でIUCNによって開発された。
- *3 SCOPE、UNEP、IUCNおよびCABIは、侵入種を取扱うのと同様に理解するための新しい道具を準備するという目的で、侵入種についての計画に乗り出した。この発議は、地球侵入種計画(GISP)とよばれる。GISPは、科学者、法律家、教育者、資源管理者および産業界や政府出身者を含めて、その問題に関連する多くの選挙民を雇っている。GISPは、外来種の問題についてCBD事務局との親しい一致協力を維持している。