南三陸町入谷地区でボランティアによる火防線の刈り払い作業に参加してきました。
保護・研究部の朱宮です。
2月14日、宮城県の南三陸町入谷地区で南三陸ネーチャーセンター友の会が中心になりボランティアによる火防線の刈り払い作業が行われ、私も参加してきました。この作業には岩手大学の自然系サークルのメンバー20名や地元の林業家、NPO法人大阪自然史センターが参加をしました。作業そのものは山の環境整備の一環としての歩道整備ですが、森林の積極的な管理を進めていくきっかけになればと考えています。尾根にそって寒風ふく中、3時間あまり低木を刈り払いました。
▲入谷地区の惣内山周辺で行われた刈り払い作業
南三陸町はかつてはイヌワシの生息地として知られていた場所でした。イヌワシは草原性の猛禽類であり、えさ場としての広い草地が必要です。しかし、近年森林管理が行われず、活用もされずに放置されていたため、森林面積が増えかつてのような草地がなくなってしまいました。
おそらくそうした森林の変化などが原因で、東日本大震災後最後に残っていた個体も見られなくなりました。そこで、地元の方が中心になり、イヌワシが戻ってくるような森林管理ができないか地元の林業家を交えて意見交換を進めています。
NACS-Jも赤谷プロジェクトでイヌワシの保全のためのえさ場環境の創出をすすめており(イヌワシビジョン)、その知見が活かせるようにアドバイスを行っています。
イヌワシが繁殖していた山の周辺は国有林だけでなく、民有地、大学の森、市有地と土地所有が多様であることから多くの関係者の協力が必要になるかと思いますが、もし赤谷プロジェクトのような協働管理の取り組みが始まるとイヌワシ保全に向けて新たな段階に進むことができるのではないかと考えています。
まだ、取り組みははじまったばかりでこれからどう展開していくのかわからないことも多いのですがNACS-Jも赤谷プロジェクトで行っているイヌワシ保全の取り組みが、全国に広がるように支援を行っていきたいと考えています。