日本自然保護協会にインターンに来て、東北地方の防潮堤計画の状況を調べています。
初めまして!今年度の損保ジャパンのラーニング生として日本自然保護協会でインターンをさせていただくことになりました、上智大学法学部地球環境法学科3年の宮崎桃子と申します。
大学では環境問題に対応するための国内、国外の法体制について学んでおり、特に京都議定書などに代表されるような国際環境法を中心に日々勉強しています。
大学の授業等を通し、環境法や環境条約の立法過程や個別の法の課題などの知識を得ることはできるものの、それらの課題をいかに解決できるのか、現代の若者が地域的、そして世界的な環境問題にどのように貢献していくことができるのかという思いに直面し、その答えを探すべく今回、日本自然保護協会のインターン生として勉強させていただくことになりました。
先日は今後の津波被害を想定した、東北地方の防潮堤建設計画の概要について調べました。特に宮城県、岩手県の海岸そして河川を対象にした計画に着目しましたが、想像していたよりもはるかに多くの地域が建設対象地となっており、さらに建設予定の防潮堤の大きさには非常に驚きました。
現時点での計画が実行されれば、市街地と海は完全に切り離され、地域の人々と深いつながりがあった砂浜さえ失われてしまいます。高波や津波の被害から地域住民を守るという点が第一の目的であるのは確かなはずですが、実際に地域住民がそれほどまでに規模が大きい防潮堤を求めているかといえば、そうではない地域も多くあるのが現状です。
さらに高波・津波被害防止のための計画によって失われようとしている砂浜には、それ自体に波のエネルギーを減衰させることにより波の被害から地域を守るという機能が備わっています。その他にも、多くの海岸生物の生息地域になったり、人々のレクリエーション等にも大きな役割を発揮します。
私が環境問題に関心を抱き始めたのも海の自然の素晴らしに魅了され、そしてその裏にある環境問題の深刻さに気付かされたことがきっかけでした。
真夏の沖縄でサラサラな砂浜の上を裸足で走り回り、小さなカニや岩場の小魚たちに感激しました。しかし、透き通った青い海に一歩足を踏み入れると、温暖化の影響で海水温が上昇し、生きられなくなってしまった数え切れないほどのサンゴ達に出会いました。
それらの現実に大きな衝撃を受けたのは事実ですが、それでもまだ美しい砂浜をはじめ、守るべき、そして取り戻すべき自然は残っています。
砂浜のパワー、美しさ、そしておもしろさを多くの人に理解してもらうためにも、まずは「自然しらべ2015 砂浜ビンゴ」に参加するなどして、砂浜と関わる機会をよりたくさんの方々にもって頂けたらと思います。
←自然保護部の辻村さんと湿地保全に必要な法律についていろいろと話をさせてもらいました。