ベストに近い成果」 「市民参加の合意形成の場作りのモデルとなるであろう」
愛知万博検討会議による、会場計画大幅縮小の決定に関するコメント
*検討会議に正式メンバーとして毎週参加していた
吉田正人・NACS-J常務理事によるコメント
7月24日、第8回愛知万博検討会議が、名古屋市で開かれ、海上の森(かいしよのもリ)における博覧会事業について、森の中の施設は0.63ha、道路は森の入り口までで、その先は園路とする案をまとめた。
150haの住宅開発を行い、80haを展示施設にしようとする当初案に比べれば、森の改変は100分の1以下となったほか、都市計画道路ばかりでなく、県道が森に入りこむことも防いだ。
「万博ゼロ」、「海上の森ゼロ」を目標とする方からは、これでも不十分と評価されるかもしれないが、青少年公園と海上の森を会場とする現計画の中では、ベストに近い成果をあげることができた。
保護委員会のもとに、第3次海上の森万博問題小委員会を設置して、緊急に現地調査を行った結果をまとめた報告書が、効果を発揮した。
もう一つの成果は、愛知万博検討会議という市民参加の検討の場が実現した、ということである。長野五輪自然保護検討会議をモデルにして作られた会議だが、会議の傍聴はもちろん、インターネットを使った同時中継、委員長の立候補による選挙など、愛知万博検討会議は、長野五輪をこえた、といえる。
おそらく、今後、公共事業にともなう市民参加の合意形成の場作りのモデルとなるであろう。