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次号の「石ころ観察」特集の事前勉強のため、岩石観察会に参加してきました!

2015.11.17
活動報告
icon_taguchi.jpg 広報・編集室の田口です。
 
次号の会報の特集は「石ころ」がテーマです! 
その前に私も石について学ぶべく、千葉中央博物館の岩石観察会「筑波山塊の稲田石」に参加してきました。
場所は茨城県笠間市。講師は次号の特集でも登場していただく高橋直樹先生です。
 
「稲田石」は、地下でマグマがゆっくり冷えて大きな結晶をつくっている花崗岩。花崗岩の中でも特に結晶が大きくて白いのが稲田石の特徴だそうです。白い鉱物が「長石」、灰色が水晶としてなじみのある「石英」、これらの割合が高いので、白っぽい石になっています。わずかに入る黒い鉱物が「黒雲母」です。
この稲田石は、日本橋にも使われているそうなので、今度通ったら、じっくり観察したいと思います。
 

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稲田駅を降りると、すぐわきに「石の百年間」という博物館があり、ここで石の基礎知識が学べます。
この日は、石材を運んだトロッコ道をたどり、採石場の見学をさせてもらいました。採石工場では、墓石を制作中。
少し鉄分が入っている部分があったり、黒い模様が入っていると、石の価値がぐぐっと下がってしまうそうです。
この黒い模様は「シュリーレン」と呼ばれ、マグマが冷えるときに、鉱物が集まったり、ほかのマグマや岩石が混入したりしてできます。
石好きの参加者の皆さんは、むしろシュリーレンの模様が入っている方に興味深々。
模様が入った石も、売り出し方次第で人気が出るかもしれません!
 

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▲茶色い部分が鉄分が出たところ。
 

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▲シュリーレン
 
さすがに地元だけあって、酒屋さんの蔵の壁や鳥居、石垣など、町のあちこちに稲田石が使われていました。
酒屋さんの蔵の壁は、昔、火事にあったときに、稲田石(花崗岩)の表面がパチパチとはじけてしまったため、上半分は凝灰岩に変えたとのことでした。凝灰岩は火山灰が堆積してできた岩石です。鉱物の熱膨張率が違うため、鉱物の粒が大きな花崗岩は高温に弱く、火事には凝灰岩の方が強いのだそうです。木よりは石の方が火事に強そうだとは思っていましたが、石の中でも種類によって違うのですね。
皆さんの町では、どこにどんな石が使われているか、観察を楽しんでみてはいかがでしょうか。
 

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▲酒屋さんの壁。下が花崗岩、上が凝灰岩。
 

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▲稲田石を使った鳥居
 
後日、今回の観察会講師の高橋先生と海岸の石ころ観察に出かけ、石ころ観察のポイントを教わりました。
次号の会報で、その時の模様をお伝えしますので、お楽しみに!
 

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