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環境教育

自然保護は経済活動と対立することも多々あります。これらはしばしばトレードオフの関係にありますが、自然保護を進めていくことは、持続可能な社会を形成するためにも重要です。民主的な社会の中では、市民にこういったことへの理解や価値観が根付いていることが自然保護の基盤となります。そのため、環境教育や自然保護の普及啓発は重要となります。

日本自然保護協会(NACS-J)の活動の柱の一つである自然観察指導員(商標)は1970年代から始まった制度です。これまでに各地で開催される講習会を経て自然観察指導員となった方々は全国でのべ3万人に及びます。「自然観察」から始まる自然保護を目指し、地域に根差した環境教育を担ってきました。自然との原体験は、子どもの自尊心や自立心、好奇心を育むといわれ、子どもの発育やその後の人生にも大きく影響するということもわかってきました。NACS-Jは、2021年から自然からの恩恵が格差なくすべてのこどもたちに行き届くよう自然観察を広める「すべてのこどもに自然を!プロジェクト」を進めています。

NACS-Jの各事業の中でも、環境教育や普及啓発活動を大事にしています。四国ではツキノワグマが絶滅の危機にあります。クマは種子散布や物質循環において生態系で重要な役割を担うといわれています。しかし、本州・北海道での市街地へのクマ出没の報道や、ツキノワグマの生態の正しい理解がないため、、恐怖の対象としてツキノワグマが捉えられていることがNACS-Jの調査で分かりました。四国ツキノワグマ保護プロジェクトでは、現場の保全活動に留まらず、地域や社会がクマを正しく畏れ、正しく歩み寄り、共存を許容できるよう普及啓発活動も重視して進めています。 その他、自然保護の普及啓発活動の一環として、自然や生きもの、文化の魅力を伝える「NACS-J市民カレッジ(Nカレ)」と名付けたセミナーを2013年から開催。2021年のNACS-J創立70周年の年に、100回を迎えました。2020年からオンラインでの開催を行い、会員だけでなく、多くの方にご好評をいただいています。

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