大台ヶ原・大峯山・大杉谷ユネスコエコパークを訪問してきました。<前編>
エコシステムマネジメント室の朱宮です。
7月21日~24日、会報『自然保護』9・10月号のユネスコエコパーク特集企画のために、今年3月にユネスコエコパークに登録された大台ヶ原・大峯山・大杉谷ユネスコエコパークを訪問。22日は大台町、23日~24日は奈良県と三重県の県境にある大台ヶ原周辺を視察しました。特に西大台ヶ原は平成19年9月に国立公園の利用調整地区第一号に指定され、運用から8年が経過し現状がどのようになっているか知りたいと思っていました。また、山頂付近に広がるトウヒ林は、伊勢湾台風、ミヤコザサの繁茂、ニホンジカなどの影響により壊滅的な影響を受けたことから環境省による自然再生事業が実施されており、現状が注目されています。
大台町は約1万人弱の人口で、9割山林という中山間地です。少子高齢化が進み、若い世代は都会へ出てしまう人口流出が進んでいる地域でもあります。現地では、大台ヶ原・大峯山・大杉谷ユネスコエコパークの事務局を担当している大台町の西出さんに案内をお願いしました。
大台町は東西に細長い町で、宮川の集水域をそのまま町のエリアにした形をしています。宮川は清流日本一になるなど、全国の中でもきれいな川として有名ですが、平成16年大雨の際には集落が土石流により流出するなど水害の多い町でもあります。そもそも大台ヶ原周辺は年間降水量が3500mmと全国有数の多雨な地域となっています。その結果、河川周辺は峡谷となっており、断崖や落差のある滝が見られます。周辺は林業が盛んで製材所や森林組合があり、三瀬谷駅の周辺は宮川を使って集材したスギやヒノキの貯木場になっていたようです。現在は役場やショッピングモールなどが建ち、町の中心地になっています。
平成16年の大雨の際に手前から合流する支流の土石流によって大きな被害にあったが、その後も町民は生活を続けている。
宮川ダム周辺の六十尋滝
役場の周辺に設置された森のエコステーション
資源ゴミを持ち込むと、ポイントがたまり買い物券を発行してくれます。また、アルミ缶に関してはアルミ缶を持ち込んだ際の自動車の排気量や自宅からの移動距離、燃料(ガソリン、軽油、電気、バイオディーゼル)によって、ポイントが異なり合計ポイントが計算されます。
神瀬という地区は、ふれあい調査のような地元学を実施した場所であり、大台茶を栽培する地域。集落ビジョンを策定し、茶畑の景観の保存を進めたところです。
22日のうちに奈良県側に移動し、吉野川沿いの柏木という集落に宿泊しました。
(後半に続く)