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シンポジウム「生物多様性を活かした地域づくりの今~身の回りの自然から地域の未来に向けて~」を開催しました。

2013.03.11
告知

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3月10日、神奈川近代文学館にて生物多様性の道プロジェクトシンポジウム「生物多様性を活かした地域づくりの今~身の回りの自然から地域の未来に向けて~」を開催しました。

当日の参加者は、スタッフなど関係者含め130名近く。企業や自治体関係、学生研究者など幅広い層の方々がご参加くださり、地域別でみると神奈川県内はもちろん北海道や鹿児島からもお越しいただきました。

基調講演では、東北大学教授・NACS-J評議員の中静先生から、生物多様性地域戦略をツールとして使うことで地域のアイデンティティーの発見や地域経済の振興につながる可能性を示唆され、その際に生態系サービスという考え方が非常に有効であることなどのお話をいただきました。

報告では、NACS-J保全研究部長の朱宮からNACS-Jの『生物多様性地域戦略ガイドブック』や生物多様性の道プロジェクトの最新の取り組みを発表。環境省自然環境計画課の亀澤課長からは、生物多様性地域戦略の背景や自治体アンケートから見えてきた地域戦略策定の現状の報告がありました。

後半の話題提供パネルディスカッションでは、神奈川県の地域戦略策定に向けた動きや、すでに「bプラン」という名称で策定した横浜市の事例や、生物多様性上重要な地域を市民の手で発見・指定し、保全に役立てようという神奈川県自然保護協会と千葉県柏市、「人と自然のふれあいマップ」、ユネスコエコパークに登録された宮崎県綾町の取り組み事例などが発表されました。

20130311michiprosimpo2.jpg▲綾町の取り組みについて地元のNPOてるはの森の会が発表されました。

私自身は、このシンポジウムの企画運営に関わり、当日はパネルディスカッションの進行を担当しました。パネルディスカッションを通じて「生物多様性地域戦略というのは”触媒”のようなものだな」と感じました。

触媒とは、それ自身は変化しないまま、接触する周りの物質の化学反応を促進する物質のこと。生物多様性地域戦略自身は行政が作る文書なのかもしれませんが、地域戦略に関わることによって、NGO同士の連携や、自治体・企業等との分野を超えた連携が進んだり、人と自然の関わり方を変える作用が生まれるというものです。

生物多様性を活かした地域づくりをめざすということは、立場の違う人たち同士とぶつかり、化学反応を起こしながら(時には私たち自身の性質を変えながら)、非常に多くの人々を変えていかなければならない。そういう思いを改めて強くしました。

基調講演や話題提供をしてくださった皆さん、運営に携わってくださった皆さん、共催団体・後援団体のみなさん、なにより参加者の皆さんありがとうございました。

発表者のプレゼンテーション資料は準備が整い次第、ウェブサイトにPDFを掲載をしていきたいと思います。また、当日の様子はUstreamでも見られます。(会場の通信状況の関係で、少し映像が不鮮明となっています。)
注:配信は終了いたしました。

(保全研究部/道家哲平)

※本シンポジウムは、平成24年度独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて開催しました。


当日のプログラムと一部の発表要旨PDFは下記からご覧になれます。

プログラム

12:30~12:45 挨拶

開会挨拶 藤崎 英輔 (神奈川県自然保護協会理事長)
共催挨拶 吉田 正人 (国連生物多様性の10年日本委員会委員、IUCN-J会長)

12:45~13:30 基調講演

中静 透 (東北大学教授・日本自然保護協会評議員)
「生態系サービスと生物多様性地域戦略」

13:30~14:35 報告

朱宮 丈晴 (日本自然保護協会保全研究部長)
「ココからはじめる生物多様性地域戦略」(発表要旨PDF(7.12MB)

亀澤 玲治 (環境省自然環境局自然環境計画課長)
「生物多様性地域戦略の策定への期待」(発表要旨PDF(2.4MB)

14:45~16:15 話題提供

山根 正伸 (神奈川県環境農政局水・緑部自然環境保全課副課長)
「生物多様性保全に向けた取組について」

河合 太一 (横浜市環境創造局政策課担当係長)
「bでいこう~横浜市の取組~」(発表要旨PDF(2.92MB

村上 雄秀 (神奈川県自然保護協会)
「県内の生物多様性保全重要地域選定について」

相馬 美佐子 (てるはの森の会)
「人と自然のふれあい調査・自然と文化を次世代へ」(発表要旨PDF(6.22MB)

村山 勝利  (柏市役所環境部環境保全課)
「市民との協働による生物多様性の保全」(発表要旨PDF(766KB)

16:15~16:55 パネルディスカッション

生物多様性を活かした地域づくりに向けて
パネリスト:山根 正伸、河合 太一、村上 雄秀、相馬 美佐子、村山 勝利
コーディネーター:道家 哲平 (日本自然保護協会保全研究部)

17:00 閉会挨拶

亀山 章 (日本自然保護協会理事長)

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