原子力発電所の運転再開に反対する緊急声明を発表しました
原子力発電所の運転再開に反対する緊急声明(PDF/187KB)
2012年7月9日
原子力発電所の運転再開に反対する緊急声明
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章
福島第一原子力発電所事故を教訓とするこの時代の転換点に、私たちは生物多様性保全と持続可能な社会を構築する観点から、持続可能なエネルギーシステムの構築に大きく舵を切るべきだと考えます。
日本自然保護協会は、このたびの関西電力大飯原子力発電所の運転再開に強く反対し、以下の声明を発表します。
1) 原子力発電はやめるべきである。
原子力発電は、ひとたび事故が起きれば人類をはじめとするあらゆる生命に対し、不可逆的な悪影響を長期的に広範に与えることが明らかにされています。安全な管理技術を追求しても、運転すれば必ず放射性廃棄物を生じ、将来世代に大きな負担を残すため、安全で持続的なエネルギー供給とは考えられません。
したがって、国および原子炉保有電力会社は、既存の原子力発電所の運転再開を行わず、立地環境などを考慮して計画的に廃炉を進めるべきです。
2) 省エネルギーを第一にすすめ、地域の自然とくらしにあったエネルギーシステムの構築を進めるべきである。
エネルギーの需要は、節電・省エネ・多様なエネルギーを組み合わせることで、持続可能な再生可能エネルギーで賄うことができると考えます。第一にすすめることは省エネルギーです。
日本自然保護協会は、生物多様性を保全する持続的な地域づくりの活動の中で、地産地消型のエネルギー供給システムの構築支援にも取り組んでいます。地域の自然環境は地域の財産であるという認識の上に、住民、NGO、自治体、地場産業などの連携によって地域に合ったエネルギー供給体制づくりをすすめ、地域の健全な自然と安全なくらしを守るエネルギーシステムを構築すべきです。
以上