市民の調査地が重要里地里山に指定されました。
NACS-Jでは、自然観察指導員をはじめとした全国約1500名の方々と、約200カ所の重要な里やまを長期にわたって調査する「モニタリングサイト1000里地調査(以下、モニ1000里地調査)」を環境省と進めています。
この調査成果は国の保全施策検討に活用されており、昨年12月に環境省より発表された「生物多様性保全上重要な里地里山(略称:重要里地里山)」(500カ所)の選定にも活用されました。
約60カ所のモニ1000里地調査サイトが重要里地里山として選定され、中にはこれまで保全上の価値が全く知られることのなかった場所も含まれています。
数年前までは「市民のやった調査データは信用できない」と地元行政担当者から相手にされなかった場所もあるのですが、全国統一された調査手法によって市民の手により各地の身近な自然の価値が科学的に明らかにされ、日本の生物多様性の保全上重要な場所として指定されるに至った価値はとても大きいといえます。
しかし一方で、重要里地里山に指定されたとしても、保全への具体的支援策や開発の法的規制があるわけではないのが大きな課題です。実際に、開発問題が進行している場所もあります。NACS-Jでは重要里地里山への指定がより強い保全の根拠となるよう、環境アセスメント時に国交省参考図書となるよう働きかけたり、私有地を保護地域として指定する新たな制度(民間保護地域制度)の導入に向けた取り組みを進めています。
春からは全国のモニ1000里地調査地で植物や鳥、チョウ、ホタルなどの調査が順次始まります。初心者でも取り組める調査もありますので、自分のところでも調査をしたい、近くの調査地のお手伝いをしてみたい、という方がおられましたら、下記までぜひご連絡ください。
●問い合わせ:市民活動推進室
担当:高川・福田・三浦 moni1000satochi@nacsj.or.jp ※スパムメール対策のため@を大文字にしています。小文字に修正して送信してください。
高川晋一 (市民活動推進室)