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沿岸の回復力と生態系サービスに注目し、被災地で活動しています

2014.08.28
活動報告

 
今年度、NACS-Jでは東日本大震災後に注目されている沿岸のレジリエンス(回復力)や生態系サービスに注目した取り組みを行っています。

健全な生態系にはかく乱を受けても回復する力があります。今回の大震災でも、震災後にできた湿地に絶滅危惧の植物の芽生えや生育が見られます。しかし、そうした場所にも復興道路建設や農地整備計画が進んだため、工事着工直前の4月、南三陸町で絶滅危惧植物の緊急避難を実施しました。

地元会員や研究者にご協力いただき、まだ発芽前の植物を、前年の記録を基に“泥”の状態で近くの集落に土壌ごと移動させました。

また、移植先の湿地の見守り手を増やし自然を活かした復興を実践するため、田んぼの復活をNACS-Jが働きかけ、地元若者たちのNPOによる市民参加の酒米づくりが始まりました。

7月に訪れた時には元気な苗が育つ田んぼには、カエルやマツモムシが泳ぎ、トンボが飛び交っていました。そして、背丈を超すガマが広がっている湿地の中に、環境省レッドリストで絶滅危惧II類(VU)のミズオオバコ(右写真)やミズアオイを見つけることができました。緊急避難はなんとか成功したようです。

南三陸町入谷地区では「人と自然のふれあい調査」を行いました。これは、地域の方々の、懐かしい音や匂いなどの記憶から、人と自然がどんなふうに触れ合ってきたかを調べ、地域の自然保護に役立てていこうという調査です。

今年は、これらの調査結果から、自然の回復力の可視化、自然のちからを活かした地域づくりを提言したいと考えています。

現地の様子など詳しくはスタッフブログ「事務局日誌」にてご報告しています。

保護・研究部 志村智子

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