東日本の海岸での取り組み。調査、指導員講習会、シンポジウムなどを行っています
今年度、NACS-Jは「海の保全」が重点テーマです。沖縄・辺野古など南のサンゴ礁保全と同時に、東日本の海岸の生物多様性を活かした地域復興を支援しています。
支援にあたっては、
- 巨大防潮堤計画の見直しに向けた働きかけ
- 地域の人材育成をすすめる自然観察指導員講習会(宮城県南三陸町)の開催
- 巨大防潮堤が建設された場合の影響を推測するための調査研究
を実施します。
調査研究は、昨年度は海岸植物群落の被災前後を比較するため東北全体の調査を行いましたが、今年は宮城県南三陸町水戸部川と気仙沼市西舞根に調査地点を絞り、集水域の上流から下流・沿岸域までの連続性に注目した調査を始めました。
三陸の特徴である、山から海までがコンパクトな集水域の中にどのような多様な環境が存在しているか、植生と河川との関係、アマモ場と湧水の関係などを明らかにしたいと思います。また、このような海や陸の自然の利用状況を「ふれあい調査」で明らかにし、「自然資源利用マップ(仮)」を作成する計画です。
▲南三陸町の水戸部川で流量を測定しているところ
▲気仙沼湾で溶存酸素量などの測定中
9月1日には、東京・品川でシンポジウム「東日本大震災と防潮堤計画~未来の海辺になにを残すか」を開催。前号534号の「このままでいいのか!? 防潮堤計画」特集にご登場の皆さんにもご登壇いただき、地域の将来にとっての海辺の意味を語り合います。
NACS-Jはこれらの取り組みから、自然を活かした復興への提言をしていきたいと考えています。会員の皆さんのご協力、またご寄付のご支援をお願いいたします。